巷で流行りの束石工事を行うことになった。束石は60cmの高さがあるので、埋める穴もそれに合わせて60cm以上掘らなければならない。
我が家にはユンボやトラクター、パワーショベルなどの重機は無い。あったところでそれを操作する技量が無い。さらに、体力も無い、根性も無い、やる気も無い。でも、束石を埋設しなければ石油タンクを設置できないので、この極寒の地では死活問題である。
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とりあえず束石(35Kg x 4個)をゲンヤー号で運んで来た |
仕方が無いので、体力のある奴を
騙して穴を掘らせる作戦に出た。
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鮭捕り名人兼穴掘り名人 |
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何の疑念も無く掘り進む奴 |
メジャーとスコップだけで何とかなると思っていたが、良く考えてみると水平やら直角やらを出さなきゃならないので、何度か失敗した後に思い出したように水糸を張ってみた。
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水糸とズレ |
その水糸でさえまっすぐ張れない上に、それに合わせて埋設した束石がさらにずれるという誤差が誤差を呼ぶ展開となった。まあ、全部が同じようにずれてくれれば最後は辻褄が合うかも知れないという淡い期待を胸に作業は進んで行くのであった。
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立った! |
寒冷地では地面が凍結し、埋めてある束石等が持ち上がることがある。凍上と呼ばれる現象で、非常にやっかいなヤツである。この石油タンクは490リットル型であり、実際に460リットル程度の灯油が入る。灯油の比重が0.8程度であるので、ざっと360Kg。タンクの自重が80Kgなので相当な重さが束石にかかる。
そんな状態で凍上してしまえば、倒壊の危険すら生じるのである。昨冬には小屋が持ち上がって困ったが、不便以上のものは無かった。しかし、石油タンクが倒壊してしまえば、それに継るパイプも引きちぎれてしまい、家の周りに可燃性の物質をばらまく事態になりかねない。
凍上を防ぐために、穴の底にはコンクリートを流し込むか大きな石を敷く必要がある。さらにアイスレンズを形成しないように、束石の周囲には砂利を埋め込む。あとはただただ祈るだけである。