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2022年4月20日

黒猫ホイホイ

 長かった冬が終わったかと思う間もなく、景色は白銀の世界から真緑の絨毯へと変化している。気温もぐんぐん上昇し風も心地よいのである。しかしながら、地面はというとまだ凍っている部分が残っている。

地面全体が凍っていれば何の問題も無いが、気温の上昇と共に地表から15cm程度だけが融けているので溶融水分が地下に浸透せず、まあ敷地内の多くの部分はグチャグチャという表現がぴったりな状態なのは毎年のこと。

地面下の氷柱
  ゴミ収集車のドライバなどは、車重が大きいせいもあり運転には慎重で、このような路面はうまく回避もしくは近寄らずに仕事を完遂するのだが、一部の郵便車や宅配業者はその限りではないのである。

私はこのような人のために、道の途中に通行止め用の障害物を置いて注意喚起を行っている。殆どのドライバはこのサインを理解し、そこで車を止めてそこから玄関まで歩いて配達してくれる。

もちろん、自分自身が通れないと困るのでギリギリの幅を残して障害物を設置している。

先日、チャイムが鳴ったので出てみると黒い猫の宅配業者であった。そして玄関前にはその大きな車がいたのである。

 あらら、あのギリギリの隙間を通って来たのか……。

私は「地面が泥濘んでいるので気を付けて下さいね」というと、そのドライバは「大丈夫っすよ、馴れてますから、ははは」と言って去って行った、……はずであった。

 しばらくしても車が帰った様子もなく、ロプノールは吠え続け、車の大きなエンジン音がずっと続いているのであった。そして、改めて玄関を開けるとそこには黒い猫のドライバが困り果てていた。

全然「大丈夫っすよ」じゃないじゃん!

ここでスタックしていた

 
こんな深い溝を残して…

タイヤから泥を落としながら去って行った

 黒猫がやって来て、このトラップに捕らわれる。うむ、黒猫ホイホイだよな…。

エサはAmazon……。エサなのか??

 

2020年12月23日

改造車

 早いもので、今の車を購入してから23ヶ月の月日が流れ、2年に一度の車検を受けなければならない日がやって来たのである。

今回はディーラーで入念な24ヶ月点検整備作業を行ってもらい、 そのあと私が車検場へ持って行って自力で車検を通そうと目論んだのである。いわゆるユーザー車検と呼ばれる、所有者が自ら車両検査工程へ持ち込み検査を受けるというものである。

なぜ、ユーザー車検を行うのか?

ひとつはただの興味本位であるが、もうひとつの理由は、今回車の改造を行ったのでそれに伴い必要となった構造変更申請という手続きを自ら体験してみたかったのである。

構造変更申請とは、車両の改造などを行い、その結果車検証に記載されている内容に変化が起こった場合に、改めて検査を行いその変更が安全性が担保できる範囲内であり、合法であるかどうかを確認する作業である。当然、申請日から車検証に記載されている有効期限満了日(いあわゆる車検の切れる日)までの分は無効になり、申請日からあらためて24ヶ月の有効期限が設けられる。

ディーラーでの点検整備は午前中から午後3時にかけて、細部に至るまで多数の項目を検査して整備を行ってくれた。最後は車内清掃や洗車まで行ってくれて、当然であるが自分では何もしない内に無事に終わったのであった。

ディーラーの整備工場

ライトの光軸調整コンピュータ


ドライブレコーダのスイッチを切り忘れていたので、作業の一部がしっかり録画されていた。しかし、こんなに丁寧に作業するものだとは知らなかったよ。そりゃ時間がかかるよな…。

このあと、整備をしてくれたエンジニアと光軸調整や軸重計量の話をして、変更申請の下準備を行う。

 翌々日、ネットで構造変更申請の予約を行い、検査場へ向かったのである。窓口が分からずウロウロしながらも、親切な係の人々のお陰で無事に受付が終了し、早速検査ラインへ並ぶように指示された。

検査場の入り口に並ぶ

検査用の機械が並んでいる

光軸検査合格の表示が画面に表示される
 

都会の検査場と違って、並んでいる車の数は段違いに少なく、数台だけであった。並んでいる人は例外無く業者の格好をしており、何をするにも実に手際が良い。場違いな雰囲気満点の私は、ここでも係の人に懇切丁寧な指示と説明を受けながらひとつひとつ検査を受けて行ったのである。

構造変更申請は、通常の車検(継続検査という)と異なり、車の高さ幅長さ、室内サイズ、ガソリンタンク容量、残存ガソリン量などを計測した上で、前輪および後輪にかかる重量を計測されるのである。ここで計測された値を新たに発行される車検証の記入するのである。

さて、私はいったい何を改造したのでしょう?

それは「乗車定員」を4名から2名へと変更したのである。この変更に伴い、左右の後部座席を取り外し、シートベルトも左右共に取り外したのである。これで完全な2シーター車になりました。

ではなぜ定員を変更したのでしょう?

それは、全くの無用の長物である後部座席を消し去りたかったからである。

これで、夜中に走っていて、ふとルームミラーを覗くと後の座席に見知らぬ髪の長い…、という事態が避けられるのである!!

安いな…

 

検査費用は法定料金で1,400円、これに重量税の6,600円、自賠責保険の21,140円を入れて、総額29,140円で構造変更申請と車検が完了しました。安い!!

 

 

2019年11月25日

ばっさい

ある雪の日、工事車両運搬車に乗って大きな機械がやって来たのであった。

いそいそと森の中へ入って行った
それは、森を伐採するための大型機材であり、この季節に水分の少なくなったカラマツをばっさばっさと切り倒して行くのであろう。運搬車が敷地の真ん前に駐車していたので、運転手に聞いてみると「この道の両側の森を伐採するよ。広さは10ヘクタールだよん」ということであった。

この森は我が家の裏庭に隣接するのだが、恐らく河岸段丘を形成している部分に相当するようで、我が家から標高差にして15m程低いのである。したがって、この森をたとえ全部伐採しても我が家からの景観に変化はほぼ無いと言って良い。

あまり間近に見る機会の無い機械なので、クマ探知嗅覚器官付き哺乳動物を引き連れて森の奥へ入って行く私であった。まだクマは冬眠していないよな…。

大木伐採マシン
ロプノールとの比較、でかい
悪者の形相の機械
もちろん作業中は近寄れないので、作業員が帰ったあとにこっそり見に行ったのだけど、最近の機材は盗難防止用のセキュリティーカメラが付いているよな。マヌケ顔で写真を撮っている所をしっかり撮影されているんだろうな…。

こんな感じで切り刻む(カタログ写真)
この機械は、大きな木の根本をしっかり掴み、この強固な爪で木を固定しながらその隙間からチェーンソーが出て来て一気にスパッと切るのである。根本を切られた木は倒れそうになるが、そこはこの爪のお陰でそのまま立っている。

その後、この爪がういーんと回転すると、切られた木はこのカタログ写真のように宙に浮いた状態になるのである。そこで爪の間に設置されている油圧モーターが木を送り出し、一定の長さ毎に再びチェーンソーでスパスパ切って行くのである。お陰で、木は根本を切られてから一度も地面に接することなく、枝を払われ皮を剥かれる。再び地面に降りたときには、既に丸太の状態になっているという早業である。

すると、もう一台の機械が10本程の丸太を一抱えにして、爪で回転させ地面に当ててトントンとすると全ての丸太が揃うという、なんだか人間の仕草に似た動作をするのである。その後、揃えられた丸太は積み上げられ、搬出を待つばかりという早業が展開されて行ったのである。

揃えられ、積み上げられた丸太
これだけの広さもあっと言う間だ
ものの数日でこの通り、鬱蒼とした森が広大な空き地のような開放的になったのである。早い…。
まあ、あと1〜2週間ほどで森が消え去るんだろうな。

2019年9月23日

林道爆走

今週、ラリー北海道が開催されていた。15年前、東京に住んでいた頃にWRCラリージャパンが十勝で開催されることになり、よせば良いのに仕事が終わってから深夜に東北道と青函フェリーで渡道し、ひたすら帯広まで走ったのを思い出すなぁ…。

ラリー北海道は、SSと呼ばれるスペシャルステージが山間部の林道を高速走行するグラベルコースであり、SSの合計は200Km程もある。ここを100Km/h近い速度で駆け抜けるのである。

これをニュースで知った私は、そんな林道を疾走するような僻地はどこなんだ?と何気なくコース案内を見てみると、なんと我が家の近所だった……。そっか、ここは僻地なのか…。

まあ近所を疾走するならちょいと見物にでも行ってみようと思い、前日にコースの下見をする私。翌朝5時に起きて、6時台スタートのSSまでウキウキしながら車を走らせるのであった。

私の車の横をかすめて走るラリーカー
ランサーか?
爆音だった
とてもおとなしい運転だった
この日は最初は曇っていただけだったが、山間部へ入った途端に霧が出始め、だんだんと濃くなっていった。しばらくすると、前のSSから移動して来た競技車が霧の中から順次現れ、反対側を走る私と間近ですれ違って行くのである。周囲に他の車の姿が見えないので、そのまま車を止めて写真を撮っていた。

SS手前の路上
しばらくしてSSの方へ戻って来ると、先程の競技車達がSSの手前数百mのところで集合していた。

ドライバーはヘルメットを脱いでおり、頭まですっぽりかぶるレーシングスーツ姿である。目鼻だけが出ているフルフェース状態なので、このまま銀行に行っても十分目的を達成出来そうな格好である。

強盗スタイルのドライバー達
まあ面白かったよ!

2019年6月5日

敷板が無い?

6月のカラッと晴れたある日、あまりの気持ち良さに行き先も決めず車を走らせていた。

慣らし運転が終わったばかりの4バルブVVTのDOHCエンジンは、インタークーラー付きターボのブースト圧を上げるでも無しに木漏れ日の山道をプヨプヨと走り抜ける。そう、周りの景色があまりにも綺麗だったのでアクセルを踏み込む気になれず、のんびりと走っていたのであった。

国道に出てしばらく走っていると、道路沿いに線路が見え隠れする場所に出て来た。ここは廃線になってから随分時間が経っているはずなのだが、線路が撤去されていないようである。何か理由があって放置されているのか、それとも何かの目的で維持管理されているんだろうか?もしそうなら、この線路はいったい何処まで繋がっているのだろうか?

疑問に思ってしまった以上、ここはその先端(末端?)を確認せずに通り過ぎる訳には行かないであろう(そうか?)。ということで、線路の終わりを探しにひたすら走り続けたのであった。

そうしてそれから5Km程走ったその先には、まさしくその線路の行き止まり部分があったのである。
ここが突き当たりっぽい
線路終端の標識と車両止
反対側はずっと続いていた
ということで、この線路は約5Kmに渡って途切れることなくずっと続いていたのである。そう言えば、以前のニュースで廃線跡の線路を保守して本物の車両を走らせていると言ってたのを思い出したのである。これがそうだったのか……。道理で線路脇の除草や線路の状態が良い訳だ。なんかすっきりしました。

ここの少し手前にあった踏切らしき所では、ちょっと奇妙な注意書きがあったのである。チラッと見えた時は、どうせ「ここは廃線になっており列車は来ません」とか「線路跡があるので通行注意」などと書かれていると思ったんだが、何だかちょっと様子が違っていたような気がしたので引き返してみた(引き返してまで見るべき物がどうか疑問であったが…)。


普通の踏切に見えるが…
遮遮断機は無いけど注意書きが…
え?
そこには予想を覆す表記があったのである。二度読みしてしまったその標識には「敷板が無い」と書かれていたのである。それも期間限定で外していると言う…。

なぜ外すんだろう?期間を見るとどうやら冬期の積雪もしくは凍結期間だけ敷板を撤去しているようである。外す目的や意味は何だろう?除雪の邪魔になるからなのか?いや敷板が無ければ除雪車自体が通れないから違うであろう。それでは除雪をしないということなのか?もしそうならそもそも通行出来ないのだから敷板を外す必要も無いではないか?

謎が謎を呼ぶ不思議な標識であった。

このあと、ゆうゆへ行ってたっぷり湯を楽しんで来ました。内湯、ぬる湯、露天風呂、壺湯、寝湯…。平日の昼間に行くと、もうそこは老人クラブか貸し切りのどちらかの様相である。この日は天気も良く、露天風呂の目の前にある広大な中庭は草刈りが終わったばかりのようで、爽やかな風と共に草の香りが湯船まで漂って来る。白樺の若葉がそよぎ、山肌は新緑が少し濃くなったものの、まだまだ黄緑色が眩いばかりであった。お陰様で心身ともにリフレッシュしました、と言いたいところだが「敷板の謎」が頭から離れず、モヤっとした風呂上がりであった。

2018年12月25日

好みの数字

先週、ずっとその数字のことを考えていたのである。

その数字とは、それは希望ナンバーと称される自動車のライセンスプレートに自分の好みの数字列を入れるというものである。過去にも車を購入するたびに考えたことはあるが、結果はあまりしっくり来るものでも無く、安直に誕生日にしたり何となく座りの良い数字列にしてお茶を濁していたのである。

随分前の20世紀の終わり頃、スポーツカーを購入した時は希望ナンバー制度は無かったのだが、派手な車であったこともあり変なナンバーが付くのはどうしても避けたかったのでディーラーに相談してみたのである。今から思えばディーラもさっさと断れば良いものを「そうですね、出来ないこともありません」と何を根拠に思ったのか、そう言い放ったのである。

当然その提案に乗らない理由も無く、希望するナンバーを伝えて納車の日を待っていたのである。

その後、納車の2週間ほど前に「希望のナンバーが取得出来ました、苦労しましたよ」と連絡が入ったのである。後学のためその裏技のような方法を教えてもらったところ、「陸運局の申請窓口で発行される番号をずっと見ながら、良い番号の順番が回ってきた時にすかさず申請するのです」という、想像の遥か斜め上を行く手法であった。

まあそんな無理なことをした報いなのか、心待ちにしていた納車日の2月10日に私はディーラーでは無く、国際空港のロビーにいたのである。そう、納車日とアメリカ出張が同じ日だったのである。その後帰国してディーラーに行けたのは6月のもはや夏のような暑い日であった。

アメリカに住んでいた時にも同様のことがあったのだが、あちらは希望ナンバーでは無く希望文字列であり、アルファベットと数字の組み合わせなので選択肢も格段に広かったのである。しかし、当初車を共同所有していた同居人と希望する文字列に合意を得ることが出来なかったのである。

妥協案や折衷案も浮かばず、申込み締め切り日だけが近付き、最後は投げやりになり「もういい!いっそのこと『への6番』にでもしてしまえ!」と言ったところ、意外にもそれで合意に至り、私のSAAB900Sは「HENO6」という訳の分からないナンバープレートを付けて走ることになったのであった。黒歴史だ…。

今も燦然と輝く「への6番」と素数時計
 しかも、数字の前のアルファベットのOは数字のゼロに置き換わるという法則により、そのナンバーはHEN 06」になってしまったというおまけ付きである。友人からは「なんでHen(メスの鶏)の06なのか?」「へい!にわとり6番!」などと揶揄される始末であった。

さて、21世紀に入って懲りもせずスポーツカーを購入したときには、日本でも希望ナンバーが取得出来るようになってはいたのだが、大した案も浮かばないまま何のひねりも無いありきたりな番号を選んでしまったのである。その後、北海道に来てからも状況は変わらずであり、これといった希望ナンバーを思い付かずに今日まで来たのであった。

閑話休題。

先日ひょんなことから再び希望数字を考えなきゃならない状況がやって来たのであった。相変わらず名案も浮かばずモヤモヤしていたのだが、友人と雑談をしているときに「素数はどう?」と提案され、そうだよ素数時計を作ったときのようにその手で行こうと決心したのであった。

この家を作っているときにお世話になったモデュロール数列に敬意を表しフィボナッチ数列から選択することにした。それだけだと面白くないので「素数」でありかつ「フィボナッチ数」であるものの中から幾つかの条件を満たすものを抽出していった。

そして、何かを言いたげな「一桁の数字」やパチンコ屋の駐車場に止まっているような「ゾロ目」だったり、何が言いたいのかさっぱり分からない「語呂合わせ」などの恥ずかしい数字列は絶対に避けたかったのである。

さらに、どうせ選ぶなら車の番号なので「安全」にちなんだ数字を選ぶことにしたのであった。

安全な数字とは何か?それは安全素数である。

安全素数は素因数分解の困難さに依拠した数字のことであり暗号理論の教科書に良く登場する人気者である。しかし、それをそのまま持って来てもフィボナッチ素数にはならないという振り出しに戻る結果になってしまう。

そこで登場するのがソフィー・ジェルマン素数列である。それがどうしたと言われてもどうしようもないけど、ここに登場する数字はもちろん素数であるが、これを2倍して1を加えてもまた素数になるという性質があり、さらにそれは安全素数と呼ばれる特殊な数になるのである。

そしてこれが肝なのである。なぜ2倍が肝なのかと言えば、それはナンバープレートというものは車の前後に同じものが2枚あるからである。

つまり、自動車の前に「フィボナッチ素数であり、かつソフィー・ジェルマン素数でもある数字」があり、後ろにも同じものがある。つまり2倍である。そこへ運転手の人数である1を足すと全体で安全素数を形成出来るのである。

ということで、この特殊な数字が記載されたナンバープレートを車の前後に擁し私が運転することによって初めて安全素数が完成するのである。「素数+私+素数=安全」という一体感に包まれた希望ナンバーの完成である。

ちなみに、これらの条件を全て同時に満たす数字は、この世にたった2つしか存在しないのである。

さて、私はそのどちらを選んだのでしょう?



2018年2月27日

除雪壁

ここは札幌や旭川に比べると降雪量は大したことが無いが、極寒地なので降った雪がそのまま地面に残っており、また雪質はサラサラの所謂パウダースノーである。そして我が家の周囲は360度牧草地に囲まれている。

この状態で風が吹くと、畑の上に乗っかっているだけのパウダースノー達がすごい勢いで畑を駆け抜け、そして我が家の敷地に吹き溜まるのである。 


敷地内、途中から先が見えない
我が家の玄関は、町道から入って敷地内を124m進んだ所にある。私有地なので本来であれば自力でこの距離を除雪しなければならないのだが、この町は何故か敷地に入って来て玄関前まで除雪してくれるのである。おかげで我が家の除雪は、ものの数分あればスコップひとつで完了する。もう感謝感謝です。

しかしである、その除雪してくれるのはとても大きい除雪車なのである。


6輪駆動
玄関前まで除雪してくれる

ぐおんグオンと音を立ててすごい勢いで除雪してくれるのである。もはや人力の及ぶ所では無い。

人力で除雪を試みると遭難する

 この巨大除雪車は街中では滅多に見かけないけど、国道の峠や幹線道路で見かける大型車である。

そっか、我が家は山間部の国道並みなのか…。

 毎冬お目にかかるし、私には馴染みの除雪車であるがその名前が分からなかったのである。その後、調べてみると、全長11m86cm、全幅3m10cmという巨大な除雪車で、その名を「クオン」というらしい。そっか、名は体を表していたのか…。

 先日、夕方まで結構吹雪いていたのでロプノールの散歩をどうしようか迷っていたら、薄暗くなりかけた頃に除雪車が来てくれた。しかしである、何か様子がいつもと違ったのである。普段なら町道からグオングオンと頼もしい音を立てて、124mを除雪しながらそのまま一気に玄関先まで進んで来るのだが、この日は違った。敷地の入り口から60m程の所まで何度も往復していたのであった。

家の中から外の様子をうかがうと、すごい勢いで盛り上がる雪の山と、姿は見えないけど除雪車の作業音だけが鳴り響いていた。

もちろん、私には何も出来ずただ単に眺めていたのであった。その作業は20分程続いたあと、突然音が聞こえなくなった。そして暫くして見えたのは、町へ引き返して行く除雪車の姿であった。

ええっ???

一体どうしたんだろうと思いながら外に出て見えたものは、巨大な雪山で塞がれた我が家の敷地であった。
道が塞がれている?
我が家の敷地内の道路に標高2mの大きな雪山が出現していた。
え?完全に道が塞がれているではないか?

道が塞がっているよね?

ロプノール、飛び越えろ!
ボ、ボクには無理です
 高さが2m、幅が7m、何とかなるかなと思って雪山の奥を見ると、この壁面から向こう側に奥行き20m程もある雪山だったのである。おまけに除雪車で押しやって来た雪なので非常に柔らかく、乗り越えるのは無理であった。流石の大型除雪車も、この雪の量では除雪しきれなかったようである。 

 さて困った、車どころか徒歩でも抜けられそうに無い。地味に軟禁状態である。

万一、何かが起こっても救急車もパトカーもやって来れないよな…。今のうちに避難しておくしか無いのか?でも、どこへ?そもそも、どうやって?

そうこうしている内に、別のタイプの除雪車がこちらに向かって来るのが見えた。 どうやら先の除雪車のオペレータが町へ引き返して別の除雪車に乗り換えて戻って来てくれたようであった。今度の除雪車は大きさは先程のとあまり変わらないが、先端部分が雪を押すタイプでは無く、いわゆるブルドーザーのような巨大ショベルをつけた除雪車であった。


玄関モニタの向こうで頑張る除雪車
この除雪車もすんなりとは行かなかったが、それでも徐々に雪山を崩して行った。既に外は暗くなっており、その暗闇の中を除雪車は黙々と作業をしていた。そして25分後、あの巨大雪山はついにその姿を消していた。どうもありがとうございます!

そして除雪車は黙って来た道を静かに帰って行った。

なんかかっこ良いな!

2017年4月6日

ゲンヤ~号2017

6年4ヶ月前に原野からやって来たゲンヤー号、足腰の弱い本州生まれの2WD車ながらも走行距離を4万Kmも重ねて10万Kmを突破した。あちこちにガタが来ており、ブレーキやデフの部品を新調しながら何とかここまで耐えてくれた。

先月4回目の車検を迎えたが、今回ばかりは検査を通過出来ないかも知れず、廃車もある程度覚悟していた。そして、意を決して車検整備に出してみると予想を大きく裏切り、部品交換無し、要修理箇所無し、ヘッドライトの光軸調整のみで車検は一発合格であった。おかげで費用は基本料金 + 調整費3000円だけであった。
無事合格
ここ暫く気温も上昇し、雪解けも進んですっかり春らしくなって来た。ゲンヤー号の周囲の雪もほとんど無くなり、これからの2年間も頑張るぞと、その凛々しい姿を朝日に見せるゲンヤー号であった。


庭に佇むゲンヤー号と朝日
しかし、現実には…。


身動きが取れないだけ…
タ、タイヤが…。
う、埋もれてる
雪が融けた所までは良かったのだが、一気に気温が上がったせいで融けた雪がものすごい勢いで庭に溢れてしまい、ゲンヤー号の足回りははあえなく泥庭に沈んでいったのであった。何とか自力で脱出を試みるも、更に泥沼状態になっただけであった。

牽引ロープを持って来て、この軽トラよりさらに小さい軽自動車で引っ張り上げてみると何とか田んぼのような泥状態から抜け出すことが出来た。危なかったな…。







もうドロドロのゲンヤー号である。

ゲンヤー号を引きずり出した跡
タイヤのあった所は深い泥沼状態
庭が乾くまで、まだ何日もかかりそうである。そして、乾いた頃には辺り一面に雑草が生い茂ることになる。毎年の事とは言え、なかなか慣れない。

2016年11月28日

ちゆごく

今年は鉄道を使う機会が多く、各地を巡って旅情に浸っていた。特に気候の良い時期にJRで過疎地を訪れると、人の姿はまばらというより全く見ることも無いような地域もある。都会の喧騒に辟易している私にはこのような情景が好きなのだが、ただひとつ困ることがある。それは食事である。

行き先を決めて計画を立てていれば事前に食料を購入するだの、近隣のレストラン情報を仕入れておくだのするのだろうが、全く行き当たりばったりで移動しているとそういう訳にも行かないのである。そんな時は列車の待ち時間を利用して途中下車するのだが、無人駅で周辺に人の姿の見えないような所だとコンビニすら無いこともある。少ないながらも人家が見受けられるので生活している人がおり、その人々の生活を支える商店などがあると思いながら探してみるのだが、それすら全く見当たらない土地もある。まあ駅が無人であることが全てを物語っているんだろうけど。

そのような集落でも場所によってはJA系の小売店が存在することがある。スーパーマーケットと呼べる規模では無いけれど、個人商店程度の大きさであっても菓子類、飲料、お弁当などが売られている。この日訪れた集落にもJA系の店があるだけで、他に選択肢がある訳でも無いので、数種類しか無い中からじっくり弁当を選びお茶を片手に駅へ戻ったのであった。

気温は20℃程度で快晴無風。無人駅のホームには他の乗客の姿は無く、鳥の囀りだけが聞こえてくる長閑な昼下がり、私は厳選うなぎ弁当を食べるのであった。

食べる前に写真を撮り忘れた
特に美味しくも無く不味くも無く、記憶に残らないような味であったが、無人のホームから見える景色は最高であったので、とても満足できる食事ではあった。

なんだかんだと言いながらも食べ終わって満足した私はゴミを片付けようとしてふと弁当の包装に目をやると、何だか違和感を覚える表記が目に入って来たのである。

原材料名が…

うなぎ(ちゆごくさん)。へ?ちゆごくさん?

書かれている原材料名の産地表記なんだろうが、ちゆごくさんってどういう意図で書かれたのであろうか?漢字が印刷出来ない訳でも無いし、拗音(小さい「ゆ」)が印字出来ない訳でも無い。同じラベルの中で「調味料」は漢字だし、「しょうゆ」「せいしゅ」は拗音もちゃんと表記されているからである。じゃあ、何故「中国産」や「ちゅうごくさん」では無く、「ちゆごくさん」なんだろうか?

さらに良く見ると、読点の位置も変である。「調味料うなぎ」、「ちゆごくさんしょうゆ」なのか?

そんなどうでも良い事を一生懸命考えている内に時間がどんどん過ぎて行き、ほどなく列車がホームに入って来た。今回は列車の乗り継ぎ時間が長く、どうやって暇つぶしをしようか悩んでいたんだけれど、ちゆごくさんのお陰で退屈することは無かった。

は!これはひょっとして無人駅で時間を持て余している旅人への、地元愛にあふれる新手のサービスだったのか?