2013年2月8日

現実感

2011年から解体、補強、壁作り、天井作りと作業を続けて3年目に突入しようとしている。予定(あったのか?)より長くなってしまっているが、もちろん飽きた訳では無いしそれなりに楽しんでいるのは事実である。完成すればもちろんこの家に住むのであるが、それがどうも現実感が薄いような気がしてならない今日この頃である。
恐らく完成時期があまりにも未定であることと、生活感の全く感じられないその家の構造に起因するのかも知れない。まあ、好きなように設計して好きなように作っているので、どんな家が出来ても別に驚きもしないし、喜んで住むとは思う。住み易いかどうかは別問題であるし、結果は火を見るより明らかである。

そんなことを考えながら普段通りの作業を行っていた。ふと外に目をやると、太陽の周りに暈のようなものが見える。日暈である。おまけに太陽の中心を通るサンピラーと同様の現象である幻日環も見えた。幻日環はごく一部しか見えなかったが、とても珍しい上に1時間近く観察出来た。

南の空に出現した日暈と幻日環
日暈はやや虹色が観察できた

かなり大きい


そう言えばこれまでにも、家の完成予定が立たないと文句を言えばサンピラーが立ち、ストローベイルの端が欠けると文句を言った時は月食で月が欠けていたな。今回も現実感が薄いと文句を言ったから幻日環が見えたのか、うむ、なかなか洒落のわかる自然現象ではないか。

いや、きっと「そんなことはどうでも良いから早く家を作れ」と皆に言われているような気がする。そうだよな、今年こそ完成させて引越しせねば…。

2013年2月3日

シバレてユレる

北海道の言葉で「しばれる」というのがあり、その意味は「寒い」の1ランク上の寒さを表す言葉だそうだ。その言葉を冠した「しばれフェスティバル」というお祭りが、極寒の地の陸別町で開催されていたので今年も行って来た。
会場内の焚火とメインステージ
会場内のジャンボパチンコ
前回はかなり気温が低かったのだが、今年は昼間にプラス気温になってしまったせいか、夜になってもマイナス3℃程度であった。

さっそく、氷で出来たジャンボパチンコに挑戦し、うまい棒と200円の商品券をゲット。続いて、樽酒を振舞っている所でたっぷり飲む。帰りは妻が運転するので、心おきなくお代りをする。

戦利品
樽酒
道内各地で趣向を凝らした色々なイベントやお祭りがあるが、やたらと観光色が強いだけのものであったり、他所と区別が付かないような特色の無いもの、主催側と客が全然異る方向を向いているものが多い。そんな中で、この「しばれフェスティバル」は首尾一貫、徹頭徹尾、単純明解に寒さだけを売りにしている非常に潔い祭であり、全くブレが無い。素晴らしいの一言に尽きる祭である。

今年は寒さがいまいちだったが、なんのかんの言っても氷点下の気温なので、それ故に困ったことも起こる。帰路に着こうと車に戻ってみると、ついうっかりサイドブレーキを引いたまま駐車していたことが判明した。サイドブレーキはワイヤーで後輪のブレーキを引く構造である。ちゃんとした車であれば氷点下で不具合は生じないが、我が家のちゃんとしていない車はレバーを戻してもワイヤーが凍り付いたままビクともしなかったのである。

仕方が無いので後輪にブレーキが掛かったまま前輪駆動のパワーだけで駐車場を出た。しばらく走れば車の各所が温まってワイヤーも解氷するかと思ったが、一向にその気配が無い。急遽、近くのパーキングに停車して暖気運転を続けて様子を見ていた。しかし、それでも事態は好転せず途方に暮れるばかりであった。

ロードサービスを呼ぶべきか、何らかの方法で車体下部のワイヤーを熱して解氷するか、このまま朝を迎えるかと思案していたが、ガソリンスタンドで温水洗車をすれば何とかなるような気がしたので近隣のガソリンスタンドをナビで探してみると、幸いここから数百メートルの場所にあったので、後輪をロックさせたまま前輪をホイールスピンさせながら走り出したのであった。そう、パーキング内で試行錯誤している内に事態はさらに悪化していたのであった。

瀕死の状態でガソリンスタンドに近付くと、夜の10時を回っているせいなのか、そこは閉まっていたのであった。が〜ん、どうしよう?

すると、日頃の行いがすこぶる良い私達を天は見放さなかったのか、ガソリンスタンドの手前に24時間営業の洗車コーナーが見えた。すかさずそこに入り、慣れない機械の操作説明を読みながら、温水洗車を行ったのであった。車体の下部に集中的に温水を噴射し、水流のあまりの勢いにさらなる不具合を呼び寄せてしまわないかとビクビクしながら湯気まみれになって洗車は終了した。

その結果、ワイヤーの氷も無事に融けて後輪はロック状態から開放され、私達は無事に帰路に着いたのであった。恐れるべし「しばれフェスティバル」であった。あまりにも必死だったので写真が無い…。

1時間程走行していると、ふいに携帯電話から不穏な警告音が聞こえた。なんだろうと思いながら助手席で携帯を確認してみると、緊急地震速報であった。妻が路肩に停車して周りの様子を伺うと、電柱や看板がユラユラと揺れている。結構大きな地震だったようだが、ずっと圧雪路の凸凹道を走っていたせいで気付くのが遅かったようである。

ちょうど建築現場の近くを走行中だったので、その足で自宅の様子を見に行ったが、特に被害らしきものは無く除雪用のスコップが玄関で倒れていた程度であった。柱や壁をぶち抜いて適当に天井や壁を作っている割には結構な耐震性能があるようである。

セルフビルドの家が無事だったので安心して帰宅してみると、棚から色々なものが落ちて散乱していたが、こちらも特に被害らしきものはなかったのでひと安心であった。

しばれて揺れた一日であった。