私は大人になるまで牛という生物のことも良く知らなかったし実物を見たことさえなかったのである。テレビの中に映し出される牛や、バターの商品パッケージに描かれた牧場にいる牛が知識の全てであったかも知れない。
その後も日本各地で牛の実物を見かけることはあったが、間近で見たり触れたりする機会がある訳でも無く、何も知らない状況に変わりは無かったのである。本格的に牛について勉強したのはアメリカに住んでいた時で、それは想像していたより遥かに大きく、とてつも無い量の餌を食べ、びっくりするくらいの糞尿を排出する動物だったのである。もう驚きの連続の日々であった。
北海道で土地を探しているときも、購入条件のひとつは周囲が酪農地であることであった。酪農王国北海道でその条件を満たすのは至って簡単であるが、放牧つまり牛を草原に放して飼っている所というのは実は非常に少ないのである。幸いなことに、この土地は隣家が放牧タイプの酪農家だったので、もう牛が見放題である。ラッキー!
ところが確かに隣家は放牧をしているのだが、真平らに見える周囲の土地も微妙な起伏があったり牧場の境界線の辺りに草木が生い茂っているので、家の窓から直接は見えなかったのである。
我が家と牛を隔てている草木の壁 |
と思っていたら、ある日突然この障害物を取り除く工事が始まったのである。
わ〜い! |
近くで見ると凄い量である |
この幅、高さで端まで540m進む |
綺麗さっぱり |
牛の群れ |
でも、家の中から牛が見える景色が手に入って、もう大喜びである、わ〜い!