北海道の秋は短い、ずっとそう信じてきた。
北海道に来たのが2009年10月下旬、東京の気候とは随分違い秋の気配も薄く既にかなり寒かったので、この年の秋の記憶が無い。それから7回目の秋を迎えた訳だが、今年は風景写真を良く撮りに行っていたせいもあって、秋の始まりから終わりまでを観察することが出来たのである。
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9月26日(標高40m) |
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9月28日(標高520m) |
9月下旬には、すでに平地でも紅葉が所々に見受けられた。大体、この辺りで「ああ、もう夏も終わって短い秋が来るんだ、そして冬はもうそこまで来ている」と、来たばかりの秋に勝手に終息宣言を行うのが常であった。
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10月5日(標高220m) |
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10月17日(標高80m) |
10月に入ると、もうどこへ行っても紅葉だらけで、秋真っ盛りである。そして、「ああ、短い秋も終わりだな」と終息宣言のダメ押しをして気持ちはもう冬に向かうのである。
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10月22日(標高60m) |
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10月27日(標高80m) |
しかし、良く見てみると秋は意外にしぶとく、何度かの降雪があったにも拘らず葉が落ち切っていない木も多く、樹種は異なるもののまだまだ紅葉がある。陽に当たれば、それはもう眩しいくらいである。
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11月4日(標高400m) |
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11月9日(標高320m) 道路いっぱいにカラマツの落ち葉 |
11月に入り広葉樹の紅葉が終わると、カラマツが赤とも黄色ともつかない黄金色に染まり、これらが一斉に地面に落ちて今度こそ秋は終わるのである。
最初に紅葉を見つけてからカラマツが落葉するまで、なんと1ヵ月半ほど秋の景色が続いていた。知らなかった、北海道にこんなに長い期間秋があったなんて…。
北海道ネイティブに「ぼーっとしているとあっと言う間に秋は通り過ぎちゃうよ」と言われていたが、私は毎年余程ぼーーーーっとしていたのであろう、あっと言う間もなく通り過ぎられていたのである。本当にもったいない話である。来年からはちゃんと季節の移り変わりを観察しようっと。