2014年9月29日

壁塗り


我が家の壁は漆喰と呼ばれる塗り壁である。なぜ塗り壁なのかと言うと、それは壁がワラで出来ているからである。一般的にはストローベイルハウス等と呼ばれているものであり、ワラを圧縮したブロックのようなものを積み上げて壁構造としているのである。

ワラでできた壁

そこに漆喰を塗っていくのだが、これが一筋縄ではいかないやっかいな代物なのである。外気温が低いと水とうまく反応しないし、ましてや氷点下ともなれば全く手も足も出ない。そんな訳で冬の間は建設作業が全く停止しており、全力で冬眠生活を満喫していたのであった。

やがて春になったのであるが、外気温がまだまだ低い。多少暖かい日もあったが、この地域では油断出来ない季節が続いていたのであった。グダグダと言い訳をしながら遊んでいる内に、春が終り夏がやって来た。日に日に気温が上がり、とうとう天気予報が今年の最高気温を記録しそうだという7月下旬、やっと重い腰を上げて壁塗り作業を再開したの であった。

漆喰を練る
漆喰の作り方を思い出しながら炎天下で漆喰を練る。砂と粘土、消石灰、水、秘密の混ぜ物を混合し、程良い粘り具合になったところで壁に塗るのである。この練り作業が35分間、出来上がった総重量75Kgの漆喰をワラに塗り込めるのに約2時間かかる。

ひたすら塗る
 これが下地塗りであり、漆喰の厚みは3〜5cmもある厚い下地になる。お蔭様で75Kgの漆喰を塗っても畳1枚から2枚程度しか塗れない。ひたすら練って塗ってを繰り返す作業が続くのである。それも今年一番の暑い日にである。こんなことならグダグダ言わずに春からやれば良かったと昨年と同じ失敗を繰り返す私であった。

仕上げ塗りと照明
1週間から10日経過し、ワラに密着した下地が十分乾いた頃に中塗り、そして仕上げ塗りを行う。ワラのデコボコ面に石灰岩から出来た漆喰を塗ると、照明の光が複雑に反射し、まるで鍾乳洞の内壁のような趣のある壁面に仕上るのである。

まあ、このためだけに面倒なワラ積みや漆喰塗りをしていると言っても過言では無い。乾燥が進むにつれ、色味もグレーから白に変化し照明の反射もより美しくなる。

という訳で、今年は7月29日が仕事始めとなり遅々として家作りは進んでいないのであった。