2014年12月1日

Lop-Nur (6)

夜は家の中で寝ていたボクだったが、身体の成長も一段落したということで夏用の家を作ってもらったのが7月頃だった。

こんな小さな設計図で

とてもテキトーに作っている

ウッドデッキ付きの家
身体の小さなボクには少し大きな家だったけど、文句を言っても作り直してくれる気配が微塵も無いので何も言わなかったよ。この家が完成した日から、ボクはずっと外で暮らすことになった。初日は寂しくて一晩中鳴いていたけど、次の日から普通にこの家で機嫌良く暮らしていた。

夏用の家って言っていたけど、冬になったら冬用の家が出来るのか?自分の家も完成していない飼い主がボクの2軒目の家を作るなんて信じられない…。案の定、9月になっても10月になっても、一向に冬用の家を作る気配が無い。11月になり、外気温が氷点下になりそうなある日、壁ばかり塗っていた奴等が突然何かを作り出したんだ。

なんか変な形
二重の底らしい
やっぱりワラを使うのか…
どうやらボクの家らしいんだが、形が変だし自信満々に作っているあたりが何だかボクには不安で仕方が無い。

こ、これがボクの家?
全体は12mmの板で囲まれており、床は二重構造になっている。天井と底にはアルミ蒸着シートが一面に貼られていて、ボクの身体から出る熱が外に逃げないようになっているらしい。おまけに床の中には大量のワラがギューギュー詰めに入っていて、断熱効果があるらしい。入口がとても狭く、上部に空間が広く取られているのは、家の中で発生したボクの熱が上部に溜り易いようになっいて、入口から逃げ難いようになっているらしい。また、入口の前には風避けの変な空間が開いていて、入口付近にやって来た風が、空気の運動エネルギーを静的な圧力に換えるラムエアー効果によって家の中に冷風が入り込まない構造になっているらしい。そのため、空間が奥に行くに従って狭まっているらしい。

なんだかんだと理屈をこねて作ったようだが、その効果はあまり期待しないでおこう。それに、入口付近に壁を作るのは原野の師匠にもらったアドバイスそのまま実行したに過ぎないことは内緒にしておいてあげよう。

で、肝心の家の出来栄えなんだが、はっきり言ってボクには暑過ぎる。ボクは寒さが大好きだし、身体中がフサフサの毛で覆われているので、こんな家は必要ないかも。それで夏用の家の方で寝ていたら、「せっかく作った家を使わないのは悔しい」と言う身勝手な理由で夏用の家は撤去されていしまったんだ。仕方が無いので暑さを我慢して冬用の家を使っているボクです。