2020年2月29日

天空影絵

ここしばらく快晴が続き、風の無い日は外気温がマイナス5〜6℃程度でも本当に心地が良い。

夕方にかけ、一気に気温が下がっては来るが、やはり風さえ無ければ比較的軽装で散歩に行っても寒さをあまり感じないで済むのである。さらに、穏やかな天候の夕刻などは、しばしば息を飲むような美しい景色が目の前に現れるのである。

夕日が山肌をかすめるように沈んで行く
夕日が沈みかけたと思ったら、丁度右側から湧き出るように雲が現れ、まるで沈む夕日を覆い隠すのが使命とでも言わんがばかりの勢いで漂って来た。

部分的サンピラー?
 写真には綺麗に写らなかったが、ほぼ沈み切った夕日から真上に細く長く雲を突き破るように伸びており、肉眼で見る限り、それはやや幻想的とでも言える光景であった。条件が良ければ、立派なサンピラーになったのにね。

夕日が沈むにつれ、山の向こう側から手前の山を照らし出す格好になった太陽光は、その影をこの雲に映し出している。まるで、天空の幕に光を当てて影絵を楽しんでいるかのようである。

まあ、それを裏側から見てるわけなんだけどね…。

シルエット
 さらに時間が経過すると、太陽はやや右側に向かって沈んでいるため、山のシルエットがちょうど山の真上に移動したかのように見える。

雲の位置、山との距離、太陽の角度からその拡大率は決定されるので計算するのは難しくは無い。しかし、そんなことをするより、ただ単に「大きな影絵だなー!」と感心しておくのが、この景色の正しい楽しみ方かも知れないな。
さらにジェット機雲
わずか10分程の天空影絵ショーだったが、静寂の中で繰り広げられるこの景色を見ている人は私以外にいたんだろうか?独り占めだったのか?なんて贅沢なんだ!

シルエットが最大になったタイミングで、澄み切った青空に飛行機雲を描きながら、まさに山のてっぺんを一機のジェット機が横切って行った。

どこの飛行機だろう?航空機は識別信号を発信しながら飛行しているので、それを受信してみると…

Aircraft type (B77L) Boeing 777-FB5 
Registration HL8044
LAX to ICN Los Angeles to Seoul
Calibrated altitude 35,000 ft
へー、高度10,660メートルか…。

あの飛行機からは、この景色がどのように見えているんだろうか?