前回発見した
謎の巨大建造物だが、その目的と構造が分かったのでさらに詳しく調べてみたのである。その全容を白日の元に晒すためいろいろな所から資料を手に入れ、一生懸命読んだのであった。
それには何か目的があるのか? もちろん無い、あるはずが無い。
さて、この謎の巨大建造物が水路橋であることは前回の調査(
何の?)で判明した。しかし、それは長大な水路の途中でしか無いはずだ。問題は、その水路がどこから来てどこへ行っているのかである。と、勝手に問題を大きくして次へ進むのであった。
集めた資料の中に五万分の一地形図をもとに作成されたものがあり、謎の建造物を含む全ての経路が詳細に記述されている。普通の地図には記載されていない建造物などが詳しく描かれているので探検ツアーには恰好の道具である、と作成された意図とは大きく異なる方法でこの地図を読んでいたのであった。
概要が判明したので、早速GPSと高度計、カーナビと小回りのきく車、ヒマ人のセットで探検を開始するのである。
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探検地図(?) |
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例の巨大建造物も載っている |
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前回の航空写真と同じ |
探検地図のスタート地点を見ると、そこは標高640mの国立公園内の川である。ここに取水ダムと呼ばれる川を堰き止め水を貯える設備があり、取水口(小規模)または取水塔(大規模)という大きな口を開けた漏斗の親玉のようなところから水が取り込まれる。この水が今回の探検ルートの要である導水路と呼ばれる巨大パイプを通って次の探検場所へ運ばれるというものである。
近畿地方の某所で、湖水表面からこの取水口を間近に見たことがあるが、吸い込まれるととても嫌な思いをするだろうことは想像に難くない仕組みである。一応、防護フェンスやフロートが周囲に張り巡らされているが、魚や小動物は吸い込まれて行くんだろうな…。
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こんな堰堤で川を堰き止める |
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この建物の中に取水口がある |
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堰き止められた川面 |
下流で放水があった直後なので、川面は低く先日の爆弾低気圧のせいで折れた木や枝葉が大量に浮いている。これが今回の探検のスタート地点である第一ポイントである。
ちなみに、なぜ放水直後であることが分かったかと言えば、ちょうどそこを通ったときに放流開始のアナウンスが拡声器を通して山々に響き渡っていたからである。「これから放水を始めます。危ないので決して河口に近づかないでください」といった内容のアナウンスでここまでは普通だったが、最後に「これで放送は終わりです」と小学校の放送部の練習のような台詞だったので笑ってしまいそうになったぞ。
そして、そのアナウンスを流していた所が、今回の第二ポイントである。
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近付けない |
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この橋脚の下にある第二ポイント |
入り口の所で立入禁止になっており、施設の外観すら見ることが出来ない。次回の楽しみに取っておいて次へ進もう。
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第三ポイントの入り口側 |
第三ポイントは、第一ポイントの水を第二ポイントで発電し、残りをここに放水している。そしてここはダム湖と称される人造湖であり、昭和28年から工事を始め、3年の歳月をかけて完成した巨大ダム湖である。
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ダムに沈んだ鉄道橋 |
このダムが出来たため、それまで川沿いを走っていた鉄道は水没し、コンクリート製の鉄道橋の一部が見え隠れしている。この橋は全長130mのアーチ橋で、水面の高さによってはローマ時代の眼鏡橋のような美観を見せる。
タウシュベツ川橋梁という名前である。
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ダムを上空から見る |
このダムの右側辺りに再び取水設備があり、今回の探検ルートは続いて行くのである。
つづく(
のか?)