土地の付属品(1)
ここは離農跡地というところであり、敷地内に数多くの痕跡がある。牛舎跡、開拓農家住居、農業設備、畑など。そして、暫く放置されていたせいで雑草、倒木、農業廃棄物で隣地との境界も定かではない。これらの処分や手入れで途方もない時間を費すことになった。
どこから手を着けて良いのかわからず、とりあえず草ボーボーのところから片付ける。言うまでもなく、草刈りなどしたことは無いし「苅り払い機」という草刈り機も使ったことが無い。どこに売られているのかすら知らない。色々な人に聞きまくり、専門店で「プロ用」の機械を購入することにした。なぜプロ用かと言うと、草刈りの面積が1000坪以上あるからである。ホームセンターで売られているアマチュア用(?)では歯が立たないらしい。
しかし、草刈りが下手/土地が広過ぎる/雑草の生命力が強大という三重苦を抱え、草刈りだけで数ヵ月もかかった。苅った後から後からどんどん草が伸びて来るのである。草刈りの機械がプロ用かどうかという以前に、使う人間の方が大きな問題であった。
結局、草刈りを完了する前に冬がやって来て屈強な雑草達は枯れて行ったのであった…。