ここシ・アン・ルルの気候は亜寒帯である。冬になると氷点下20数度になる。そして冬の期間が長い。そんな事は十分承知だと頭の中では理解しているつもりだけど、現実には自分の立てるスケジュール、段取り、思惑、希望、予定、そのどれもここの気候を正しく反映したものではない。
デスクワーク(仕事)や旅行(遊び)なら夏も冬も雨も雪も霧も槍も関係無い。暑くても寒くても、好きな時に好きなように好きなことを好きなだけしていれば良い。しかし、自然を相手にするもの/せざるを得ないものはなかなかそうは行かない。
今、私がいい加減な思い付きだけで行っているセルフビルドでさえ、この気候に大きく左右されるのである。そう、冬はコンクリートも打てない、土壁も塗れない、地下70cmに至るまで凍結するので地面を掘ったり埋めたりが一切出来なくなるのである。庭に置いてある砂利や川土砂も完全に凍結してしまうので、使うどころか運ぶことさえかなわないのである。雪がなくてもこの調子。雪が降れば、そもそも何がどこにあるのかさえ分からない。全ての作業を止めざるを得ないのである。
1年もあれば何とかなるだろう、と計画を立てても実際に作業できる期間はその半分あるか無いかである。そしてその事実に気が付くのは何故か実際に作業を始めて随分経ってからなのである。そして今は9月初旬。つまり今年の作業可能期間の大半は過ぎ去ってしまったということだ。
毎日25℃を越える暑さでビールがうまいが、来月下旬には氷点下に突入する。残りの作業の多さと自分の技量の無さ、計画の無謀さ、希望的観測、まるで8月31日に膨大な量の夏休みの宿題を前に放心状態の小学生と同じである。茫然自失。6年間、もれなく毎年8月31日を泣いて過ごした私には学習能力というものが欠如しているのであろう、数十年経った今でも同じことをしている。
「人間、何歳になってもやることは同じだな」と笑っている場合では無い、かと言って状況が変わる訳でもない。しかし、一番の問題は私の心が折れそうになっていることである。
ということで、心の拠り所である182Km先の某原野に住む師匠に会いに行って来ました。
たっぷりお話をして、とっても気が楽になり、さっぱりした気分になって、やっぱり来て良かったと、どっぷり日が暮れるまでお邪魔して来ました。いつもいつもありがとうございます。
今日からすっきり心機一転、作業を続けます!
と思ったけど、台風通過中なので明後日から。ははは。