(C)不明 |
本当にスキップしながら熊がやって来たら嫌だなと思いながらも、実際の危険性を考えてみた。「本来、熊はこちらから刺激をしない限り襲ってくることは無い」と観光案内やガイドブック、登山の心得等に書かれている。おそらく正しいであろう。しかしながら、刺激を与えた人物と襲われる人物が同一である保証は無い。つまり、私がヒグマに出会う直前に誰か知らない人がそのヒグマに刺激を与えていれば、そのとばっちりを受けるのは私である可能性があるということだ。
私の落度でヒグマに襲われるのはある程度仕方の無いことかも知れない。特にこのあたりはヒグマが良く出没する地域だからだ。それを承知の上で購入した土地である。しかし、私以外の不注意で私が被害を被るのは絶対に嫌だ。
と、見晴らしの良い隣の畑の中で夕焼けを見ながら考える私であった。薄暗い畑の中で黒いジャケットを着てポツンと佇んでいる私は、昨日のニュースで緊張の走るこの状況下で、誤って撃ち殺されても仕方の無い状況であると気が付くのに時間を必要としなかった。
慌てて畑から出て、車に飛び乗りました。危なかった…。