つい先日まで床をどうするかさっぱり決めていなかったのであるが、ふと思い付くことがあって唐突に全面フローリングにすることに決めた。
そうと決めれば床材を手配しなくてはならない。まずは材質の選定から始めることになった。ヒノキが良いのか、桜が良いのか?あるいは杉や松が良いのか?はたまた外国産のメープルやウォルナット材が良いのか?
早速、図書館へ行って調べて来たが、結果はよく分からなかった。それぞれに特徴があり、どれが良いかはケースバイケースであるという当然の結果しか得られなかったからだ。でも、材木の性質や種類、扱いに関して知識だけは増えた。
で、早速材木屋へ連絡し、さっき仕入れたばかりの知識と用語を駆使して床材を購入したのであった。恐らく正しい選択は出来ていないだろうし、後々困ったことになるかも知れない可能性は大いにあったが、「秋田杉の無垢材を本実(ほんざね)加工で、働きは18cm程度。目透かしはいらないので突き当て加工で。裏加工は2本、エンドマッチは不要だ。プレーナー仕上げの無塗装で頼む」という注文が出来たのでとても嬉しかったのである。
本実加工とは、板の左右に凹凸の溝をつけて板同士をはめ込む仕組みのこと。本当は合決り(あいじゃくり)という言葉を使いたかったのだが、言葉の恰好良さとは裏腹にこの加工方法では床に張ることが困難なので思い留まったのである。
無垢材(むくざい)とは、本物の木を切っただけの板という意味。集成材や合板だと、薄い木片を大量の接着材を使って貼り合わせたものなので好きでは無い。肉で例えると、無垢材を一枚肉のステーキだとすると、集成材はハンバーグやミルフィーユカツ、合板は安居酒屋のサイコロステーキ(成型肉)といったところだ。肉に例える必然性は全く無いが、まあどうでもよろしい。
プレーナー加工というのは、板の表面をカンナで削って綺麗にする方法の一つ。表面がツルツルになるほど綺麗な「超仕上げ」というTVショッピング用語のような加工方法もあるが、ちょっと不自然。サンダー加工というのもあるが、これは木の表面の細胞がバラバラになるので却下。プレーナー加工は適当に機械でカンナがけしただけの状態。まあ自然な仕上りに近い方法だと思う。そして、これが一番値段の安い加工方法でもある。もちろん、一番自然な方法は腕の良い職人さんにカンナで削ってもらうことなのは言うまでも無い。
無塗装というのは言葉通りに塗装していない状態のこと。塗装品だと何を塗られているか分からないのであまり好きでは無いからだ。殆どの製品は見栄えや手入れを楽にするために、木目の呼吸穴を塞ぐようなプラスティック系のワックスを材木の中まで浸透したものだからだ。それだと何のために無垢材を買うのか分からないというものである。
ということで買ったのがこれだ。
撮影用に一部を開梱したらしい |
これが私の思った通りの材料なのかどうかは届くまで分からない。意味もわからず適当に注文しているのであまり期待はしていない。ちなみに、この材木は長さが4m程ある。短い板をチマチマ張るのは嫌だし、あまり長いものだと重過ぎて持ち上げることが出来ないからだ。
この倉庫の一角にある材木を全て買った。150本もある。さっき計算してみたら、全ての床張りをしても余るではないか…。でも、もう買っちゃったしな。
重さは全部でどれくらいあるのであろう?私が一人で受け取るのか?受け取れるのか?
届くまでドキドキものである。