2012年3月19日

CAD

CAD、それはComputer Aided Designの略で「コンピュータを使った設計支援システム」のことである。それがどうしたと言われても何も返す言葉は無いけれど、これがあると便利なことに気が付いたので、今月から絶賛稼働中である。
家の間取りや建具のサイズなどは殆どが独立したものであり、大まかなサイズさえ合っていれば多少の誤差はそれほど問題にならない(本当か?)。コンピュータを使う程の計算も無く、紙と電卓で適当に計算すれば十分であったし、現場の環境を考えるとこれが一番お手軽でお気楽であった。

最初の計画(あったのか?)によれば2階部分は使わないので全部解体するつもりだったので、階段も撤去の対象であった。階段そのものはまだ残っているが、撤去を前提に1階部分の変更作業をしていたのでもはや階段と共存できる状態では無い。

 しかし、2階を壊す手間と労力が想像以上に大変なことに気が付き、途中でやめてしまったのである。そうなると、今度は階段をどうにかしなければならない。仕方が無いので別の場所に新たに階段を設置することにした。

ところが、階段というのは家の初期設計時点で位置を考慮しなければならない代物であり、それに合わせて柱や梁、壁などが作られている。階段を撤去するのは簡単だが、他の場所に移すとなれば、1階から2階へ十分な高さを持った連続した空間を確保しなければならないが、普通の家にそんな無駄な空間はない。階段用の空間を確保するために梁や桁を切り取ったりして家の構造を変更することになれば、今度は変更に伴う強度確保のための構造計算を行わなければならない。それはとても面倒だし、そんなことをする気も無い。

そこで、柔軟な計画を持つ私は発想の転換を行った。一般的な住居であれば、部屋の空間を最大限に広げるために階段を家の隅っこに設置したり、玄関に近いところに置かれることが多い。しかし、階段を部屋のド真中に作れば空間の確保が簡単だし設計も楽だ。ただし、部屋は狭くなるし、家の動線上の障害にもなる。でも、そんなことは面倒な設計をすることに比べれば取るに足らない些細なことであるので気にしないことにした。

ということで、階段は家の中央のリビングルームの真中に位置することになった。2階部分も部屋の真中に開口部があり、これでリビングルームの半分と2階の半分がいわゆる「使えない空間」になった。
 
位置が決まったので今度は階段そのものの設計をすることにしたが、これがなかなか大変な代物であった。階段の角度や踏み板の大きさを若干変更するだけで、他の全ての部分の数値が変わってしまうという非常に面倒なことになり、紙に書いたりPCのお絵書きソフトでごまかしている場合では無くなった。そこで、今更ながらCADを引っ張り出して来て使い始めたということである。

どんな階段になるかは、今月中に完成する(はず)のでお楽しみに。