畑の中のウサギ |
白い冬毛が茶色の夏毛に生え変わっていた。遥か遠方にいたのだが、私と目が合うと一目散に逃げ出してしまった。
我が家の入口と電柱、ウサギ |
このウサギの目線の先にはタラノキの森が広がっていて、さらにその先は川がある。
裏の川 |
錆びだらけの橋を渡るゲンヤー号 |
これより12Km先にも別の温泉群があり、源泉の温度も70〜90℃と高く湯量も豊富である。源泉掛け流しの温泉街として有名で、時々温泉に入りに行くことがある。
我が家から直線で2Km先の上記の温泉、6Km先の町の中にある町営温泉、11Km先にある山中の隠れ湯、12Km先にある湖畔の温泉、北に12Km離れた上記の源泉掛け流しの温泉街など、我が家の周囲には有名・無名の温泉がたっぷりある。
この土地を購入した頃に、自家温泉の可能性を徹底的に調べたことがある。庭先を掘って温泉が出れば毎日源泉掛け流しの露天風呂を独占して好きなだけ入れるからである。
そこで、各温泉の掘削記録を始め、地質調査図、深層熱水資源調査資料、河川改修工事記録、サイロ(牛の餌を保存する飼料塔)の建設記録(地質調査結果が載っているから)、果ては地温勾配図まで調べた。これらの資料は、北海道立地下資源調査所、北海道立衛生研究所、公共事業を管轄する支庁、支庁の農業振興部などお役所仕事らしく各所に散らばっているから資料の在処を調べるだけでも一苦労であった。当然、これらの資料の中には専門用語が散見されるので、それらの言葉を調べる作業も平行して行った。学術用語はまだ良いが、役所用語は完全にお手上げ状態である。類似資料と解説などを取り寄せ、全く関係の無い資料を読みながら目的の資料の謎の用語を解読しながら読み進めたのである。普段どれだけ暇を持て余していたのかがバレバレである。
お蔭で、この周辺の地質にはとても詳しくなった。そして肝心の温泉掘削の可能性であるが、残念ながらほぼ無理だという結論に達した。詳細は省略するが、この辺りは温度の高い温泉が出にくい場所なのである。たとえば、最寄りの温泉では泉質は良好なものの泉温は25℃しか無い。ただ、ボーリング深度が100mしか無く自憤するのは立派である。ここの所有者は、その後泉温の高い温泉脈を探して深度1000m前後の井戸を掘ったという記録もあるが、 残念ながら27℃止まりであったようだ。
このように、火山性の温泉を除けばその殆どが湯温25〜35℃の低温泉ばかりである。それも深度1000mを越える掘削をしなければ出ない。この辺りまで調べた時点で、我が家の庭先に温泉を掘る夢は諦めたのであった。
結局、温泉は諦めたが副次的な情報として、我が家の上水道の水源が北海道百名水であることや、近所の川の河床土が土壁をつくるのに最適な粘土質であることや、我が家から南に向かって左右でサイロの建築方法が異なる理由などが分かった。さらに、活断層の詳細な分布もわかり、我が家への影響が無いこともわかった。また、ゼオライトやカオリナイト鉱脈の所在、果ては金鉱の場所および含有量まで分かった。もっとも、これらの価値の高いものは私が調べる前に既に企業などがその利権を獲得済みであった、当り前か…。
昨年の今頃、ちょうどうまい具合にそこの河川改修工事が始まったので、千載一遇のチャンスとばかりに工事担当者と話をして土を分けてもらったこともあった。事前に調べていなければもらおうと思い付かなかったに違いない。
車窓から河川の工事を発見(昨年) |
河底の地質をチェック(昨年) |
我が家の庭へ運搬(昨年) |
調べた結果と一致した土質 |