2012年6月12日

エネルギー問題(2)

今直面している問題は投入するワラの量が根本的に不足していることである。そして、その不足が充填不良となり、結果として藁塊に偏り(欠け)が生じるという解決方法が無いのではないかと思える状態になっている。
なけ無しのエネルギーを使って動いている私に、これ以上の体力を要求する作業は無理である。つまりエネルギーの絶対量は変化しそうにない。それなら、少ないエネルギーで効果的に作業するには効率を高めれば良いはずである。ということで、まずはエネルギー消費の内訳を調査してみた。

350Kgのロールを解体するのに約20%、藁の山に気が済むまでジャンプして遊ぶのに35%、藁をほぐして機械前に運ぶのに15%、藁をフォークで機械に投入するのに30%のエネルギーを消費している。

どれも必要不可欠な要素であり、エネルギー配分にも問題無さそうである。さらなる効率化を目指そうにも、これでは改善出来る余地が無い。

次は、問題の藁投入タイミングを改善することを考えてみた。圧縮工程の前の充填工程へ十分な藁が供給されていない、というのが根本的な問題なのである。既に上記で述べたように、充填速度を上げることは不可能に近い。そうなると残る手段はバッファリングである。つまり細々とした藁投入を一度どこかに溜めておき、十分な量が溜った直後に一気に次の工程へ向けて開放するのである。

要求量が20である機械に、5の供給量を続けても無駄である。しかし、5、5、5、5と溜めて、その量が20になった時に一気に供給すれば、「供給量=要求量」が成り立つということだ。もちろん供給の絶対量が増える訳では無いので、必要エネルギーも変わらない(はず)。機械の側から見れば、供給量が0、0、0、20という不連続な状態になるが、単なる圧縮機械であるのでその不連続性が問題になることは無い。強いて言えば、供給量が0の時のトラクターの燃料消費が無駄になるだけだ。

ということで、ここまでかなり浪費してしまった藁ロールであるが、3個目に突入した。

3個目のロールを解体開始

いつものように藁を集める

ここからバッファリングの開始である。機械の投入口付近に藁の山を作る。

150cmの高さの山


もう機械が藁に飲み込まれそうな勢い

後ろから見ると、既に飲み込まれているかのようだ。このタイミングで機械を動かし始め、溜りにたまった藁を一気に投入する。すると、これまで聞いたことが無かったような、機械が苦しんでいるようなうなり声を出して藁塊を作り始めたのである。

一気に投入した後
ものすごい勢いで藁が飲み込まれたかと思うと、あっと言う間に藁の山が消えた。これまでのチマチマした作業とは雲泥の差であった。そっか、この機械はこんなにパワフルだったんだ…。

ちなみに、機械の横に見える板はゲンヤー号を頂いた時についでにもらった板である。これをバッファの仕切り壁として使ったのである。これまでも十分役に立ったが、こんな時にも使える板だったとは。恐るべしゲンヤー号!

出来上がり
藁の山が消え、その結果の藁塊はものの見事に綺麗な形状で出来上がった。もちろん偏りの問題もほぼ解決していた。15個作って14個の成功率である。残る1個も使えなくは無いので優秀な結果だ。

ものの見事に成功したバッファリング方法であるが、実はこの方法は前出の農家の方のアイデアである。結局、問題の分析、原因追求、そして解決方法まで教えてもらったことになる。もう感謝の言葉もございません。

ということで、何とか前に進み出しました。