2012年7月29日

柱の補強

昨年の解体作業以来、気になって仕方の無かった部分に手を付けた。それは、おそらく大黒柱と呼んでも差し支えの無い重要な柱である。
その柱は、家の構造の中心部分を支え、屋根を支え、2階を支えている。しかし、その柱は押し入れや和室同士の仕切りも兼ねているせいか、きざみと呼ばれる加工が大量に施されているのである。

そのきざみは前後左右から施されて、中には向こうまで穴が貫通している部分もある。素人目にも何か不安を覚える不安定さであった。そこでこの柱を補強しようと考えていたのであるが、そこは素人の悲しさ、具体的な方法を思い付かなかったのである。

もちろん、別の柱を添わせることは思い付いたが、それを既存の土台と梁の間に挿入する方法が分からなかったのである。しかし、根太の作り直し作業をしている時に、ふと土台の横部分に空間が出来ているのに気付き、ここから柱を平行に差し込めば良いことを思い付いた。

土台の上に乗る添え柱
過去の経験から言えば、私の思い付きというのはその後に悲惨な結果を招くものが多く、またその主はその習性を変える気も無く現在も継続中であるので危険な香りがプンプンする。

 一応、冷静になって考え直してみたのだが、所詮柱の横に柱を並べるだけである。失敗しても追加の柱が役に立たず、一連の作業が無駄骨になるだけの話である。

10Fの柱2本と12Fの材を買う

柱を切る
うまく切れた
ということで、柱材を買って来て作業を始めた。

柱の横に柱を差し込むというのは、良く考えてみるとその加工精度が大きくものを言う。柱がほんの少しでも短ければ何も支えない意味の無いものになるし、長すぎると柱が挿入出来ない。挿入出来ても今度は元の柱が宙に浮いてしまうことになる。

そこで0.1mmの精度で計測できるレーザー距離計を駆使し必要な長さを計測した。正確な長さは判明したが、それを正確に材木に反映する技術が無いことに気が付いてしまったのであるが、ここまで来ると今さら後には引けない。

それでも何とか必要な長さの柱を切り出すことに成功し、柱をはめ込んでみた。

は、はいった〜!
もちろんぴったり入るはずも無く、何度も長さを調整したのは言うまでも無いが、長時間の格闘の末、ついに柱は360mm幅の巨大梁の下と土台の隙間に入ったのであった。

最後は力任せに解体用の大型ハンマーで叩き込んだせいか、家全体が少し揺れた気がする。反対側の柱も同様に家を揺らしながら無事に挿入された。

この素人の思い付き柱追加作戦がどれだけ功をなすか全く不明であるが、とにかく気が済んだよ。