普通の壁を塗っているのであれば、特に問題は生じないだろうし、そもそも近代建築では「壁を塗る」という作業は無くなっている。サイディングと呼ばれる建材を家の周囲に張り巡らせは外壁が完成し、内装用のボードを貼ってビニールクロス等を貼れば内壁が完成する。
ずっと昔は柱の間に竹で編んだ「竹小舞」と呼ばれるメッシュ状の壁のようなものを作り、そこへ壁土を塗り込め、その上に中塗り、仕上げ塗りと進んで壁が出来上がったらしい。
我が家の壁はというと、そのどちらも採用する気になれなかったので、西洋漆喰と呼ばれる技法を真似たものと、行き当たりばったりで考えた手法をミックスし、適当に作っている。
漆喰を練る |
編む |
塗る |
塗る |
塗る |
混ぜる度に粘度が異なり、その結果、塗り具合も異なる。気温や湿度に大きき左右されるものだから仕方が無いと思っていたが、消石灰の品質そのものにバラツキがあるようだ。いや、混ぜる人物の性格にもバラツキ以上の問題はあるのだが、そこはいい加減さが補っているので問題は表面化しない。やはり消石灰の問題か?消石灰ごときに責任転嫁する奴の性格が問題か…?
トロ箱一杯で55Kgの漆喰材が出来る。これを壁に塗るのだが、我が家の壁はワラである。隙間にドンドン入って行くし、凸凹が多すぎて壁がどんどん厚くなる。その結果、壁厚は5cmにも達し、55Kgの壁材は1畳程度の面積を塗り終える前に消えて行く。そして、恐ろしい程の重量級の壁が出来上がるのであった。大丈夫なのか?
この漆喰は、近所の川底から取って来た粘土質の土をふるい分けたものに石灰等を加えたものであり、発色は専ら土の含有成分に委ねられている。そう、塗って乾くまで色が不明なのである。塗りたてはグレーっぽい色だが、徐々に白味を帯びて行き、最後はクリーム色っぽくなる。ただし、塗った場所によって微妙に異なり、同じ色の壁は無い…。
ちなみに、上記の写真では下から塗っているが、正解は「上から塗る」です。やってみると分かるけど、下から塗ると塗り終った箇所に上から漆喰が降り注いで台無しにしてくれるので止めた方が良いよ。
壁が乾いたら、上塗り作業が待っている。それも2回も…。中塗り、仕上げ塗りである。本当に塗るのか?途中でやめるのか?体力勝負のように聞こえるが、実は漆喰は塗る気温が重要なのである。あまり低温になるとうまく固まってくれず、壁を形成しないのである。そう、時間との勝負なのであった。
もう9月も終る、10月の後半は壁塗りに適さない気温になる。行き当たりばったりで塗っているので、他の人にはその手法を伝えることが出来ず、手を借りることは期待出来ない。
がんばろう。