2014年2月28日

地産地消

2011年の秋、町内の牧場で仔牛が生まれた。ブランド物の和牛種である。

2011年10月10日生まれ

牡牛だったため、生後50日の2011年11月30日に売りに出され、その日の内に隣の牧場に買われて行った。

ちょっぴり大きくなりました

そこで半年余り育てられ、男の子では無い身体にされてしまった後、2012年6月13日に33Km離れた売買市場へ出品されたのである。


行って来ま〜す!(2012年6月13日)

即日落札されたのであるが、落札者が出発地点付近で育てることにしたため、そのまま再び同じ道を通って戻って来たのである。そこは我が家の近くの牧場であった。出発地点と到着地点が近接していたので、牛に取っては日帰りの遠足のようなものだ。

ただいま〜!(2012年6月13日)

搬入された所は広大な牧場であり、公営牧場としては日本最大の規模を誇る。東京ドームの378倍の広さらしいが、今一つ実感の湧かない大きさだが、まあとてつも無い広さではある。


また大きくなるよん (2012年6月13日)
この大きな牧場で1年半程肥育された後、2014年1月17日に40Km程離れた場所へ搬送された。

再び行って来ま〜す!(2014年1月17日)
生まれた時には男の子だったはずだが、途中であれをカットされてしまいニューハーフになり、今日はついに身体自体をハーフカットされてしまったのであった。

さようなら

ハーフカット(2014年1月17日)
ただいま〜!
その後、1ヵ月程冷蔵施設で熟成され、半分になった身体はさらにバラバラにされ、そしてパック詰めされてスーパーの店頭に並べられた。

陳列されてしまいました…。

言うのが、先日近所のスーパーですき焼き用の和牛を3パック買って帰った時に、パックに記されていた個体識別番号から得られる情報を元に再現したストーリーである。

恐らくこんな感じで生まれてこのように肉になったんだなと想像しながら、その情報を元に適当な写真を貼り付けて書いてみたということである。

買って来たパックのラベル
何故こんなことが分かるのかと言えば、いわゆる肉のトレーサビリティーの必要性から、国産牛肉(和牛、廃用乳牛、肉牛など)の情報がデータベース化されており、それぞれのパックに個体識別番号が記されているからである。

これは、独立行政法人家畜改良センターが運営する「個体識別番号データベース」に出生日付、保有場所、保有者、移動年月日、売買市場等の詳細情報が記録されており、必要があればいつでもこれらの情報を参照することが出来る(ただし、内容の転載などに制限があるためここには掲載出来ない)。


こんなことを考えながら、すき焼きを食べていました。大変美味しゅうございました。

町内生まれ、町内育ちの牛を町内の食卓で頂く、正真正銘の地産地消。