2014年3月19日

Lop-Nur

僕は生後3ヵ月です。良く覚えていないけど、寒い冬の日に6匹の兄弟と共に生まれてしばらく家族で暮らしていました。しかし、大人の事情とやらで僕達兄弟は保健所という所に連れて行かれてしまい、代わりに飼ってくれる人を探すことになりました。

保健所の保護施設

保健所は振興局という北海道独自の行政機関の中にあり、よく分からないけれど僕達はそこの職員に可愛がられながら、引き取り手を探してもらっていたのです。

保健所には里親の事前登録制度というものがあって、僕達のような境遇にいる仲間を引き取ってくれる人が登録されています。今日、保健所から登録者へ連絡が行ったのですが、その中には暇を持て余している夫婦がいました。

その夫婦はここから40Km以上離れた場所に住んでいるのですが、よほど暇だったと見えて、わずか1時間後には保健所へやって来たのでした。そして僕を見るなり、「あ、まゆ毛がある」だの、「モコモコの毛並だ」などと失礼な事を言いながら僕を引き取ることにしたようです。

僕はワクチン接種と駆虫処置を行う必要があったので、2日後に引き取られることに決まりました。

まゆ毛が凛々しい僕
頭は羊のようなモコモコ毛だよん
その夫婦はよほど暇なのか平日の昼間にもかかわらずきっちり48時間後に現れ、幾つかの書類手続きを終えて僕を車に乗せてくれました。

バスタオルをかけてもらった
保健所を出るときに優しく抱っこしてくれたのですが、僕はちょっと不安になってたっぷりオシッコを服にかけてしまいました。ジャケットはオシッコだらけになりました。

車が動き出すと、僕の身体は右や左に揺られてなんだか変な気分になってしまい、口からヨダレがダラダラ出てしまい、車の中はヨダレだらけになってしまいました。

ヨダレを出しながらしばらく走っていると、今度は気分が悪くなってたっぷりゲロを吐いてしまい、車の中はゲロだらけになってしまいました。

なんだか、さっきから出してばかりだなと思わないでもなかったのですが、もうこれ以上出すものも無いので大人しくしようと思いました。あとで、ウンコをまだしていないことに気付きましたが、これ以上車の中を汚してもつまらないので、ウンコは我慢してあげました。

車は1時間程で家に着いて、僕を降ろしてくれました。そして「今日からここが君の家だよ、Lop-Nur」と言って、家の中に連れて行ってくれ美味しいご飯を食べさせてくれました。

僕の名前はLop-Nurというらしいです。とりあえず、明日から呼ばれたら返事をしてやってもいいかなと思っています。

おやすみなさい。