今日はオホーツク方面も気温が高く、釧路湿原辺りが最高気温が28℃とちょっと涼しいらしい。釧路か…。
あっ、そういえば昨年、ランチのお誘いを受けたときに通りがかった所に気になるものを発見していたことを思い出したのである。それは、とっても奇妙な鉄塔群であった。
何故奇妙なのかと言えば、その鉄塔は高圧送電線用の鉄塔に見えるのだが様子が他の鉄塔と著しく異なっていたのである。それは、
昨年見つけた奇妙な鉄塔 |
気になり始めるとどうしようも無い、涼を求めるついでに先月行ったばかりの釧路湿原へ再び出発するのであった。
あった!右側の鉄塔 |
左側の鉄塔 |
では、これはいったい何なのか?
各地で変なものに吸い寄せられ続けている私の経験をもとに想像すると、これは高圧線の実験設備ではないかと思うのであった。さて、これにどうやって近付けば良いのであろうか?近付く必要はあるのだろうか?私は何故近付くのであろうか?
もちろん目的は特に無いけど、気になったものは調べたいと思うのが人間の性というものである(本当か?)
あぶないからはいってはいけません |
やはりこれは実験設備であったようで、その旨の表示がなされていた。「送電設備の雪害などに関する観測」用の実験設備であると書かれていた。
やっぱり実験設備だった |
送電線の雪害か…。
北海道に越して来るまで知らなかったんだが、送電線に雪が付着すると思いがけない被害が発生するのである。はじめは電線に雪が積もってその重みで線が切れてしまう程度に考えていた。確かに普段目にする電信柱間を繋いでいる電線程度ならそのとおりなんだが、高圧線程の太さになると、想像を絶する現象が起きるのである。
それは、太い送電線の上に雪が積もる所までは同じなんだが、高圧線は撚り線構造という電線を何本もひねって束ねているのである。そして積もった雪は、そのひねられた溝を伝って回転するのである。回転すると今まで積もっていた部分が下に移動するので新たに線の上に雪が積もる。そしてそれが重みでさらに回転し…、という具合に螺旋状にどんどん成長するのである。
何故こんなことを知っているのかというと、それはほくでんからの「電気料金のお知らせ」に書かれていたのである。あんな紙切れにこんな興味深いことをサラッと書いて自宅の郵便受けに放り込んでくれるほくでん(北海道電力)はなかなかのものである。
北海道大学低温科学研究所の資料から抜粋 |
さらにギャロッピングという現象も起きる。これは電線に付着した氷の断面が翼状になったときに起こる現象で、比較的緩い風でも送電線が煽られて激しく上下し、隣の送電線と短絡したり断線したりとこちらも停電など深刻な障害に発展する可能性がある。
これは、草原などで人が感じない程度のそよ風が吹いているとき、他の草花は全く揺れていないのに、笹などの翼状断面の構造を持つ一部の葉だけがヒラヒラとなびくのと同じ現象である。この現象も北海道に住んで初めて知ったことである。風も無いのにユラユラ揺れる葉っぱを最初に見た時は、そこに狐が隠れて葉っぱを揺らしてイタズラしているんだと思ってた…。
おそらくこの施設はそんな実験をしているのだと思う。それは、この鉄塔が敷地の中で斜めを向いて設置されているからである。つまり、設備を隣接道路や出入り口方向を向ける等の利便性を追求しておらず、何らかの理由で送電線の張力方角を決めていると思われるからである。多分、風向きであろう。
なんだかスッキリしたよ!