2017年7月19日

ルークシュポール

さて、鉄塔も存分に見学出来たので次の目的地である端っこへ行くことにしたのである。

釧路市街地を通っても特に用事は無いので、そのまま釧路湿原横断道路を通って44号線へ出て、そのまま根室方面へ車を走らせていた。交通量は多くは無かったのだが、先頭に遅い車両がいるようで、少ないながらも車は列をなして進んでいた。

車列のせいで視界が悪く、景色を楽しむことが出来ずつまらないなと考えながら運転をしていた。その時、左前方に地名表示の標識が見えたかと思うと、あっという間に通り過ぎて行った。そして、その標識を見た瞬間、私の頭の中は「???」な状態になったのである。

そこには、

「ルークシュポール」

と書かれていたのである。

北海道の難読地名やアイヌ語が語源になっている不思議な響きのする地名など、これまで多くを見てきたし慣れてもいた。しかしである、当て字を用いることも無くカタカナ表記のままの地名であり、そしてその音がアイヌ語っぽくもなく、かといって日本語っぽくもなく、一体どこの国の言葉なんだ?と言いたくなるような地名である。それとも読み間違えただけなのだろうか?

後続車がいて急に停車が出来なかったため、写真も撮れないうえにその標識からどんどん離れてしまったので、とうとうUターンするのを諦めてそのまま先へ進むことにしたのである。

パッと見ただけだが、周辺には人家らしきものは見当たらなかったし、その標識以外の人工物が全く無かったように思う。この住所に人は住んでいるのであろうか?

帰宅後、調べてみると「ルークシュポール」は見間違いでも無くちゃんと存在していた。ただし、人口はゼロということであった。ちなみに住所は

〒088-0878 北海道厚岸郡厚岸町字ルークシュポール

どうやら番地も無い原野ということらしい。と、番地どころか住所表記も無い場所に住んでいる私に僻地扱いされて、さぞルークシュポールも腹立たしい思いをしているに違いない、ははは。


赤線範囲がルークシュポール
人家は無さそう…
この釧路近辺には難読地名がそれなりにあり、重蘭窮(ちぷらんけうし)、 分遣瀬(わかちゃらせ)、老者舞(おしゃまっぷ)、来止臥(きとうし)、冬窓床(ぶいま)、馬主来(ぱしゅくる)など、その名のとおり難読ではあるが、音の響きが語源はアイヌ語なんだなと直感的に理解出来る。しかし、ルークシュポールだけはその限りで無い。

不思議な地名である。

などと考えながら、次の目的地の「端っこ」へ向けて車を進めるのである。