大分水嶺、大分県にある水嶺ではなくて、大きな分水嶺のことである。
分水嶺という言葉は、登山や農業をしていれば馴染みがあるかも知れないが、一般的な会話ではあまり登場しないと思う。分水嶺とは文字通り水を分ける嶺である。学術的には分水界と呼ばれておりその定義は、「異なる水系の境界線」を指す地理用語ということになっている。
分かり易く図解すると、
右と左へ泣き別れ…、なのか? |
日本列島は南北に細長く、東西を太平洋と日本海に接しており、列島の中央付近を山脈がどーんと居座っているので、ここに降った雨はいずれ日本海か太平洋へ流れて行くことになり、この中央部分を線で結ぶと長大な分水嶺が現れるのである。
下図、社団法人日本山岳会の調査資料の赤線で示したラインが日本列島を縦断する分水嶺である。このラインを境に、降った雨が日本海に注ぐか太平洋へ流れ出るかが決まるのである。
(c)日本山岳会 |
驚いたことに、この3つの河川はそれぞれ異なる海へ流れ出るにもかかわらず、水系の境界点が同じなのである。つまり、それぞれの分水嶺がなんと一点で交わるのである。3つの分水嶺が交差する所なので大分水嶺である。でも点だから大分水点か……。
その点のある場所が、下図の赤丸で囲った部分である。名前を三国山という。
この赤丸の中 |
こんな地形 |
赤丸が大分水嶺、黄色線がそれぞれの流れる方向 |
大分水点!! |