2018年6月19日

謎の機械

先日、某所からちょっと気になる機械を入手したのである。それは私が幼少の頃に欲しくてたまらなかったものであるが、今となっては代わりがいくらでも溢れているご時世なので、もらって帰るべきかどうか0.6秒程考えてやっぱり持って帰ったのである。

それは、
KENT TY-5P!!

その形と言い、色と言い、怪しさ満点の機械だが、これは電源装置なのである。

電源装置とは、読んで字のごとく電気を供給する機械である。つまり、商用電源から受電し、この装置の中で降圧、整流して出力端に供給する装置である。 

もっと簡単に言えば、、いわゆる家庭のコンセントから電気をもらって乾電池と同じような種類の電気に変換してくれる機械である。今だとACアダプタと呼ばれる手の平に乗る大きさの装置が同じ働きをする。まあスマホの充電器もこの一種だと言った方が分かり易いかも知れない。

この機械はかれこれ40年以上前に製造されたものである。 今のACアダプタと比べると、大きく、重く、消費電力が大きく、持ち運びが不便で、取扱いが面倒と、まったく良いところ無しである。

まあそんなことはどうでも良くて、早速中を分解してみるのである。もちろん、分解する必要は無いし、目的も無い、 効果も無い、おそらく意味も無い、というのはいつもの通りです。

セレン整流器!
分解してみると、 やはりというか整流器にはシリコンダイオードではなくセレン整流器が使われていた。巨大なオレンジ色に輝くその部品は薄くて四角い部分が放熱板であり中心の棒状のものが本体である。

私が子供の頃には既に使われなくなっていた部品であり、名前は知ってはいたものの実物を見るのはこれが初めてかも知れない。今だと博物館に行かなきゃ見られないのではないだろうか?

これが4連接続で全波整流になっている。今風に言えばダイオードブリッジか?いや、今時ダイオードも単体で使うことは無いからもはや死語か…。

回路図も全波整流
ケースには回路図が記載されており、分解してみた中身と同じであった。なかなか誠実な製品作りである。というのも、最近は等価回路しか無い場合が殆どだものなぁ…。

さて、これを組立て直して、例の装置に接続して設置してみると…、ただの怪しい物体である。友人に見せたら「時限爆弾の起爆装置?」と好評であった(違う)。

あの場所に設置した
  一応、電圧が可変なのでその時々で変化を楽しめるようになっている。

こういうものが部屋の中にあると、何かうれしいのである。