2020年5月31日

絡む

周辺では相変わらず凄まじい勢いで植物が成長している。もう辺り一面、緑一色である。

いつもの散歩道の傍らに、これまたすごい勢いで成長している奴がいるのである。それは、蔓植物の何か、恐らくツルウメモドキではないかと思うのだが定かでは無い。

こいつもツル植物の例に漏れず接触屈性を持っており、成長と共に手当たり次第に相手に巻き付くのである。高くしっかりした樹木を見つけることが出来た奴は幸せなのだが、掴んだ相手が悪いと空振りであったり相手と共倒れになったりするのである。そして、この散歩道にいる奴が掴んだのは、ただの枯れ木それもとても細いものであった。当然、身を委ねることも出来ず、道端で共倒れになり、方向性を失ったまま漂流としか形容の出来ない状態になっていたのである。

それでも立派というか根性があると言うのか、こいつの先端部分は今度は自分自身に巻き付き始め、発見した時は毛糸玉のような縺れまくった状態だったのである。

放っておいても良いのだが、なんだか気になって先端部分を丁寧にほぐした上で、周辺にこれ以上丈夫なものは無いであろう道路標識に添わせてあげた。
丁寧に巻き付けてあげた
ほぐした先端部分は、植物の成長ホルモンであるオーキシンがあっちゃこっちゃに出て、接触部分と非接触部分がごちゃまぜになってしまい、天然パーマのような状態に変形していたが、成長途中ということもあってそれなりに柔軟性が残っており、なんとか金属棒にそって巻き直すことが出来た。これで秋まで元気に成長できるであろう。

根元に枯れ枝もついて来た…
この作業をじっと見ていた奴がいる。そいつはオオジシギであり、毎年同じ電柱のてっぺんに登り、毎日じっとこっちを見るのである。まあ我が家の庭に住んでいる同居鳥だからそれほど不思議では無いが、何か目的があって見ているのかな?

定位置にいるオオジシギ
フフフ、蔓を助けていましたね、見てましたよ…
翌日、散歩の途中でツルウメモドキを確認したが、標識の支柱から外れてしまうことも無く、無事に定着した様子である。先端部分も心なしか更に伸びているような気がする。きっと喜んでいるんだろうな。

はっ!今夜あたりやって来るのだろうか?

恩返しに…。

ツル(鶴)なら機織りしてくれるけど、ツル(蔓)はどうするんだろう?やっぱり夜中にやって来て玄関の戸を叩くんだろうか?

まあ、鶴のように家の中に入って来て部屋を占領された上に「覗いてはいけません」と言って夜通し大きな機械音を立てて機織りされるのもあまり嬉しくは無いが、玄関を開けた途端、無闇やたらと絡んでくるだけだったら嫌だな…。

2020年5月25日

春の芽吹き

普段の生活と巷で流行っている自粛生活との境目が朧気な今年の春である。

連休明けからいつものように春の芽吹きが凄い勢いでやって来た。スモモと山桜、ツツジと千島桜が同時に咲き始め、裏庭には絶滅希望種のフキノトウ、昨年の伐採からのサバイバーであるタラノメなどが無数に顔を出している。

どっちだろう?
スモモ
山桜かな?
タラノキの巨木とサバイバー達
昨年、剪定を失敗したチシマザクラ
今月10日頃には南側の庭の行者ニンニクが食べ頃になり、50本のうち1/3程を収穫し美味しく頂きました。

南の庭
さらに20日頃になると、今度は北側の庭から100本程のニョキニョキと出て来た。
あたり一面の行者ニンニク
中には密集して生えている奴等も…
45本を洗って、サッと湯がいて
クルクルッ
食べやすいように、葉を一枚毎に割いて葉から順にクルクルと巻いて行く。そしてそのまま漬け汁へと投入し、茎の中まで味が染み込むまで冷蔵庫で寝かせれば、極上のおツマミの完成である。

北海道の人は「めんみ」という北海道限定品のめんつゆに漬け込むことが多いが、これは口当たりは悪くないものの、甘みが強すぎて酒の邪魔をするのである。私は濃縮タイプのカツオだしを加えることによって甘みを抑えている。

中までしっかりと味が染み込んだら、他の材料と合わせておツマミにするのだが、最近はグリュイエールチーズと合わせて食べるのがお気に入りである。

もう、ワインが凄い勢いで減っていく…。