町内の方に誘われて腸内に肉を詰めに行って来た。
町内産の豚肉20Kgを塊で分けてもらい、農業技術なんとかセンターという所で、ソーセージ作りに参加させてもらった。センターの方に技術指導を受け、加工方法の概略から始まって、スパイスの種類およびその効能、水分量の調整、中毒予防策などを教えてもらったが、私は遅れて行ったのでそのほとんどを聞き逃してしまった。残念。
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肉の塊を挽く |
塊肉からスジ等の加工に向かない部位を削り取り、適当な大きさに切ったものをミルに放り込むと、その出口からニュルニュルと挽肉が出て来る。
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力のある人に混ぜてもらう |
20Kgは相当な量であり、とても私の非力な腕力では混ぜることは出来ない。その量といい、粘り具合といい、まさに私が毎日作っている壁塗り用の漆喰と同じような感じである。きっと普段使っている撹拌機を使えば簡単に混ざるだろうな…、なんて考えながら力のある人に混ぜてもらっている私であった。
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追加のスパイスを投下 |
この時点でソーセージの素は塩味や胡椒味がついているが、ここから先は自分達で好みのスパイスを入れることが出来る。まあ、各自で思い付くまま加えたので結果は…。
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成形機へ入れる |
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羊の腸を機械にセット |
味付け挽肉を羊の小腸へ詰め込む。まさに「腸詰め」の名に恥じない作業である。
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ちょっとグロテスク |
草食動物として一生を終えた羊であるから、本来であればその死後は広い草原の新鮮な草の1本でも供えてやるのが残された者の務めであるというものだが、あろうことかその死体から内臓を取り出し、他の動物の死体を切り刻んだものをその中に詰め込むという、言葉だけで聞くとまるで悪魔の所業のような作業が続く。
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食べやすい大きさでひねる |
がしかし、この辺りになって来ると見慣れた「食品」としての姿を見せ始める。
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業務用の大型スモーカー |
小さなスモーカーは面倒臭いばかりで使うのがなかなか大変だが、さすが業務用は大きさと言い、豊富な機能といい、温度管理の簡便さと言い、まさに別次元の便利さである。
市販のベーコンやソーセージも肉の薫製加工品のようにに見えるが、あれはスモーカーを使った薫製過程を一切行わずに、単に薫製液という化学薬品たっぷりの液体に漬け込んで香り染み込ませ、その後乾燥させたものである。なので、食べた後に歯がギシギシするし、何とも言えない後味の悪さが残るので嫌いだ。おまけに砂糖と大豆タンパク等の増量物質がたっぷり入っているので、乾燥豆腐の砂糖味を食べているような(
そんなものは食べたことは無いが…)気持悪さが口中に残る。市販のベーコンに至っては薫製液と砂糖が表面に残っておりベチャベチャしている上にフライパンで焼くといとも簡単に焦げ付く。これをベーコンとかソーセージ等と名乗るのはもはや犯罪ぢゃないか…。
ウイスコンシン州に住んでいた頃、ユーシンガーというソーセージメーカーがあり、その工場で巨大スモーカーで薫製作業を行っているのを見せてもらったことがある。メーカーである以上、量産体制を取ってはいるのだが、その作業工程だけは昔ながらの製法を頑に守っている正統派のソーセージ会社であった。そこは建物全体がスモーカーであり、吹抜け構造の3階の覗き窓から見ると一生かかっても食えない量のソーセージがぶら下がっていた。
今回作ったソーセージは、ユーシンガーには遠く及ばないものの、その製法はまさにそれと同じであった。 期待が高まるというものだ。
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薫製完了 |
素人の作ったへたくそなソーセージではあったが、食感の良い香り高いものに仕上っており大変おいしゅうございました。これからも誘って下さいね、と言いながら小分けして真空パック機で袋詰めした5Kg程のソーセージを両手に抱えて帰ったのであった。
本当にうまかったな!