2012年6月9日

エネルギー問題

昨今、話題に上がる事が多くなったエネルギー問題であるが、我が家でも深刻な問題として浮上して来た。なんとか解決しないと、今後の家作りに大きな影響を与えることになる。
もちろん私が問題にしているのは、原発問題や石油資源のことでは無い。

先日の整列藁の欠ける問題の原因が分かったのである。そして、それは驚愕の事実であった。

昨日、この問題を近所の農家の人に相談してみたのである。出て来る藁の塊が時々うまく行くことや、片側に欠けの問題があること、機械に左右のバランスの悪いところが無いことを伝えたところ、ほぼ即答で「藁の充填密度が疎になるのは右側でしょ?」と鋭い指摘を受けた。実際、その通りである。おまけにその欠け具合の様相まで指摘された通りであった。

彼は、この機械の構造、その問題点、実際の使用方法と私の使用方法の相違点、欠けの問題の発生するメカニズムを非常に科学的かつ論理的に説明してくれた。お蔭様で私は大変良く理解出来たのであるが、同時に大きな衝撃を受けたのであった。

原因は、藁の投入速度および量が致命的に遅い/少ないということであった。機械の調子や藁の品質のせいでは無く、ましてや月食も全く関係なかった(そりゃそうだ)。

が〜ん、私の体力が無さ過ぎということではないか…。もっと多くの藁をもっと早く投入し、それを継続的に続けるのが唯一の解決方法なのである。しかし、それを行うだけのエネルギーを持ち合わせている私では無い。

深刻なエネルギー問題である…。

何とか他の方法を考えようとしたが、相手があまりにも大きすぎるのと危険度が非常に高い機械であるので、中途半端な工夫をした所で根本的な解決にもならず、下手をすると危険なだけであるので諦めざるを得ない状況だ。

量が少なくて奥まであまり届かないのが原因だったとは…

作業場所が狭いので、人数を増やしても処理速度が向上する訳ではない。ここは屈強な若者に作業を交替してもらうのが唯一の解決方法なのかも知れない(おい!)。

エネルギー補給イベント
パーティー会場の庭に咲いていた花
パーティー会場の庭に咲いていた花
一昨日、182Km離れた原野の師匠と友人達のBBQパーティーにお誘いを受けて参加して来た。せっかく仕入れて来たエネルギーも、それを作業に生かす「エネルギー変換部」である私の体力がしょぼいので、ただの皮下脂肪として蓄積されただけに終ってしまった。

でもまあ、藁整列作業用エネルギーが不足していようと、補給エネルギーが全部脂肪となろうと、楽しいパーティーに参加出来て家作りのモチベーションが大幅にアップしたのでとても満足。

こうして我が家のエネルギー問題は、その解決を先送りにされて行くのであった。

2012年6月5日

整列藁とルナエクリプス

あれから、連日のように謎の機械を調整しながら藁塊を作っている。固さの調整、大きさの設定、作る速度の向上など、そこそこうまく行っている。この機械の本来の目的である酪農用のベイルであればこれで十分、という所までこぎ着けた。
ただし、均質な充填具合の藁塊を必要とする私にとっては、この出来具合では問題である。何度も調整を続けてみたが、どうしても一部欠けている部分が出来てしまうのである。藁の投入速度を上げたり、機械の動作速度を上げてみてもなかなかうまく行かない。

一人で全ての工程を行っているので、機械の前面から藁を投入してすぐに後方へ回り込んで藁の充填部分を見ようとするんだが、これがなかなか難しい。何度も挑戦したが、何が原因で一部が欠けるのかが特定できなかった。しかし、何かのはずみでほぼ完璧な状態の藁塊が出て来ることもある。う〜む、何が違うんだろう?

形の良いものと悪いものが出て来る
形の悪いもの、一部が欠けたものは再度ほぐして藁山に戻し、それを再び機械の前面から投入する作業を続けた。

2つ目のロールを解体
効率の悪い状態ながらも、昨日で1つ目のロールが姿を消し、今日は2つ目のロールをほぐして作業を続ける。もちろん、ほぐした後に気が済むまで藁山にダイブを繰り返してからだけどね。

大量の藁山
その藁山も姿を消した

ロールを崩すのに約30分、ダイビングを楽しむのに15分、藁山を機械に投入するのに1時間というペースで進められるようになった。ただ、この作業は私の体力のほぼ全てを使い切るので、繰り返すことは出来ない。一日一回だけの作業である。体力無さ過ぎ。

もう日が傾いて夕暮れどき
藁山が姿を消し、失敗作が大量に出来た時点で日が傾いて来た。昼間あれだけ暑かったのに、今はもう肌寒い。風邪を引かないように早めに着替えて帰路に着く。

車を運転しながら、藁塊の一部が欠ける原因を考えていた。藁がまっすぐ入って行かないのか、圧縮工程で歪みが生じるのか、結束機構の左右にアンバランスなところがあるのか?

月食(ルナエクリプス lunar eclipse)

ふと空を見上げると、なんと言うことだ、月まで一部が欠けているではないか…。そっか、今日は全てが「欠ける」日なんだ…。

明日になれば月も藁も欠けずにその姿を現してくれるのかも知れない。本当か?

2012年6月2日

藁入式

今日も良い天気で、裏の森にある白樺の新緑が眩しいくらいに輝いていた。
手前から、裏庭、裏森、奥の山
「シャノンの最終機械」状態からの脱却を計るため、お世話になり続けている修理の方に再度来てもらった。トゥワイン(Twine、紐、ロープ)を引っかける機構がうまく動作しておらず、これが空回り状態であったので何も結束せずに出口へ藁を運んでいたというのが原因だった。ちょうどミシンの下糸が上部のミシン糸とうまくセットされていない状態と同じであったということ(余計に分からない…?)

軽トラ一杯の工具等を積んで駆けつけてくれた
この歯車の奥で問題が起きていた
ものの10分程でその原因の特定、修理、調整を行ってくれた。手際が良いというか仕事が早いと言うか、さすがはプロの仕事である。私がこれを行った時は3日かかって、おまけに直らなかったのである。比較にすらならない。

ちなみに、この機械はNew Holland製であり、例に洩れずインチ規格のネジやボルトだらけである。イギリス、アメリカ以外では殆ど使われていない規格なんだから、いい加減世界標準規格のメートル法に則った運用をして欲しいものである。アメリカに住んでいた時は、Standard or Metricと書かれていて唖然としたことがある。メートル法準拠(Metric)が標準(Standard)だと信じていた私には意味の分からない選択であった。アメリカ人にとってはインチ規格が標準だからそういう選択肢があるんだなと妙に感心したことがある。

インチサイズのレンチで各部を調整した後、藁を投入開始。順調に藁はブロック状になって後方へ排出され続けた。これで長かった修理の修理が終り、本来の修理も終り、本格的に稼働する直前までこぎ着けたということである。長かった…。

順調にブロック状に作り続ける

じゃーん、完成!
あれほど巨大だった麦稈ロールも、こつこつと人力で崩して行った結果、とうとうその姿を消した。人力で崩すコツのようなものも分かったので、今後は30分程度で1ロールを藁山にすることが出来そうだ。

昨日同様、崩した藁の山へダイブすると気持が良い。あまりにも気持が良かったので何度も何度も飛び降りて山がペッチャンコになってしまった。この気持良さは他の人も是非体験すべきであろう。麦稈ロールを買って来て、崩してそこへ飛び込むだけである。簡単、安全、安上がりの3拍子だ。

左上奥のロールが消えて、周囲は藁だらけ
まだまだ調整が必要だが、とりあえず大きな難局を乗り越えたことで家作りが先に進むことになった。

普通の家を新築する時はその基本構造が完成した時点で、上棟式(じょうとうしき:関東?)、棟上式(むねあげしき:関西)や建前(たてまえ、たてまい、全国?)、Topping out(英国、米国)という儀式を行う。ところが、私が作っている家は既に基本構造が完成している。それじゃあ、代わりにと言うことで壁の基本構造を作り始めるという儀式を急遽でっちあげて藁入式を行ったのである。

ベイル第一号をゲンヤー号で運んで来て
建屋の中に運び入れる--藁入式
車を運転して帰らないといけないので酒は飲めない。突然の思い付きで行っているので私以外の参加者はいない。何も準備していない。何を準備するかも知らない。ということで、藁を中に入れただけで終ってしまった。まあ気が済んだよ。