2016年12月20日

家作り再開(3)

この家の水道管は歴史的な理由で複雑に組み合わされている。

最初は、この地区の沢から湧水を引き簡単にろ過して水道水として供給する「簡易水道」というシステムを利用していたらしい。塩素消毒をしていなかったようで、いわゆるカルキ臭が全くしない美味しい水だったらしい。また、そのせいかどうかは不明だが、この家には水道の凍結防止装置が設置されておらず、前の家主がこの家を売りに出した時に急遽取り付けたようである。そのせいで、家の中と外の水道管は古く、その中間の部分だけがポリブデン管という最近流行りのプラスティック製になっていた。

私がこの家を購入した2010年7月、その2ヶ月後にこの水道は廃止されたのである。もちろん、売買契約時に告知されていた事項であり予定通りではあった。まだ改築中で居住していないとは言え、水道が無い訳にもいかず、町営の水道システムと接続することにしたのである。町の指定業者に依頼して家からせっせと地面を掘り進み、113m先の最寄りの水道管まで深さ2mの溝が完成し、この部分の水道管も新しいポリブデン管に置き換わったのである。

残るは家の中の配管であり、これは古い金属管のままである。この部分を新しい物に替えれば、我が家の水道管は全て21世紀製になるはずである。ここは水道メーターより後方にあるため、工事を行うための資格や許可は必要無い。意を決して(単なる思いつきで…)自力で工事を進めることにしたのである。

それから幾年月が過ぎ去り、2016年9月、やっと重い腰を持ち上げて工事を始めたのである。

どれだけ重い腰なんだ…。

この工事が遅れた理由はいくつかあるが、やはり最大の理由は私には水道に纏わるトラウマとも言うべき恐ろしい経験があるためである。その話はまたいずれ。

水道工事に限らず、我が家の工事は例外、想定外、果ては問題外という、一筋縄では行かないことが多い。しかし、水道は公営システムに接続されているものなので、何かあれば影響は外部に及んだり、影響が内部に向かった場合は家が水没する危険性すらある。

さて、この工事を行うに先立って水道管の規格や仕様、工法などを調べてみたが、め、めまいが…。

一番多く目にするサイズの水道管は外径が21.7mmであり、管種によって13Aもしくは15Aと呼ばれ、、B呼称だと1/2と呼ばれ、通称は四分(よんぶ)である。もちろん、どれも呼び名が異なるだけで同じサイズの管である。う~む、意味がわからん。

我が家の水道管は外径27.2mm、20A、3/4、通称「六分(ろくぶ)」であり、業者は「しぶさん」と呼んでいる。「通称」の立場が台無しである。

一応、蛇口から伝って行って全ての管のサイズを計り、それに合わせて新しい管の部品を購入して準備をしていた。そしていよいよ古い水道管を撤去し始めたのであった。

床上の古い管は全て20Aだった
 管は20A,接続金具も20A対20A、その先の管も20A、と順調に管を外す作業を続けていた。

床を貫く管も20A
 そして床下へ潜り、苦しい姿勢で最後の管の撤去作業へと移って行った。

深さ142cmの床下
 管を撤去する度にその直径を確認し、私の想定通りに作業が進んで行った。こんなに順調なのは本当に久しぶりだ。なんか嫌な予感がしないでも無いが、まあ問題無く撤去と管接続はうまく行くだろうと安心していた。

そして、最後の古い管を外してみると…。

そこに見えたのは、なんと20Aと13Aを接続出来る変換アダプタの存在であった。えっ?

そう、ここまで全て20Aだったのだが、最後の最後に13Aに変換されてしまっていたのである。今、目の前にある地面から生えている水道管は13A、撤去した水道管は20A、そして準備していた新しい水道管の繋手金具はもちろん20A…。

床下の暗闇で途方に暮れていた…。

急遽購入した13Aエルボ

まあ考えていても仕方が無いので手持ちを確認してみると、13Aのオスアダプタならある。接続すべき水道管は13Aのオス。急遽ホームセンターへ走り、13Aのオスとメスを変換するエルボという金具を買って来て、無事に13Aの架橋ポリエチレン管と我が家の水道管が接続されたのである。

なぜ、最後の水道管のサイズが分からなかったのかと言うと、下の写真のように巨大な断熱素材で包まれており、その姿が見えなかったからである。そして、その直前まで同じサイズで管がつながっていたので、この隠れている部分も同じサイズであろうと油断して確認しなかったのである。

巨大断熱素材に包まれていた13A水道管
土壇場で変更を余儀なくされた作業であったが、それでも何とか水道管が接続されたのである。そして計画通り、凍結防止用ヒーターを接続し、水道管の状態を監視する各種センサー類を取り付け、作業は終了したのである。
ヒーターとセンサー類を接続
計画から6年、やっと古い水道管の撤去作業が終わり、我が家の水道システムは全て近代式になりました。めでたし、めでたし…。

ちなみに、このセンサー類はコンピュータに接続されており、27秒毎に管の温度を計測して水道管が凍結しそうになると自動的にヒーターのスイッチを入れて、凍結の心配の無い温度になると電源を切ってくれるのである。これで水道管凍結を回避できる…、はずである。

2016年12月14日

家作り再開(2)

枝を隠すなら森の中である。

素人が家を作っていると、不手際が多く時間を浪費することが避けられない。それは、工具類が見当たらないとか、買ったはずの部材が行方不明になって、それらを探し回るという全く無駄な時間をかけているからである。基本的には保管場所を決めていたり、まとめて箱に入れて内容物を記入したりして対応しているつもりだが、ふと気を緩めたときに物が無くなってしまうのである。

先日、配管作業中に庭で塩ビパイプを切ったり継げたりしていた時のことである。長さ3m程のパイプを数十cmづつ切り、室内で接続作業をしていた。部屋の中は接着剤の匂いが充満し換気を頻繁に行わなければならないので、出来れば一気に作業を終えてしまいたいのであるが、そこは素人の悲しいところで一日では終わらないのである。その日も時間切れになり、外に出してある工具類を片付けて続きは翌日へ持ち越したのである。

翌日も晴れていたが、秋が深まりつつあり冬が近付いている気配である。さて作業でも再開するかと準備をしていたのだが、塩ビパイプが行方不明である。前日の作業で使った分を差し引いても2m以上残っていたはずである。そんな長尺物が無くなるはずも無く、また人の出入りがある場所でも無いので、パイプは私の手を離れたときにあった場所に留まっているはずである。

でも見当たらない…。

再び捜索を開始する。直径5cm,長さ2m以上、こんなものが隠れる場所は限られている。

でも、見当たらない…。

決して高価なものでは無いので再度購入しようかとも考えたが、買った後にパイプが発見されてもそれはもはや使い道が無いので、そういう無駄は避けたい。さらに探し続けた。

 でも、見当たらない…。

いったいどうなっているんだろう?時間ばかりが過ぎて行く。 訳がわからない…。仕方が無いので、パイプ探しは後回しにして他の作業に移ったのであった。


それから10日後、ついにあのパイプが姿を現したのである。それは…、

中央に不審な円形の物体?
斜めから見てみると…
あっ!こ、こ、こんなところに…。

と同時に、当時の記憶が鮮明に蘇って来たのである。それは作業中に長いパイプが邪魔になり、横にあった洗濯物干し台がふと目に止まり、そこへ何の気無しに乗っけたのであった。その長さといい、その収まり具合といい、ジャストフィットだなと満足さえしていたのである。そして、そのまま記憶から消え去ると同時に、視界からも忽然と消え去ってしまったのである。

物干し竿と見事に同化している
この10日間、庭中探したし、洗濯もした。そして何度もこの物干し台を見ているはずなのに、このパイプの存在に気がつかなかったのである。

う~む、パイプと再会の喜びも無い、ここから得られる教訓も無い、今後の役に立つことも決して無い、再発見と同時に体中から力が抜けてしまっただけであった。

2016年12月10日

家作り再開(1)

この夏から秋にかけて面倒臭い事が多発してしまい辟易していたのであるが、やっと一段落したと思った頃には既に秋も深まっていた。もう幾度となく経験した北海道の短過ぎる秋の訪れは、いつもと同じように冬の香りがプンプンしていたのである。

長い間放置していた家作りであるが、このまま行けば完成以前に修復工事が必要になりそうになってしまっているので、ここらで一念発起して重い重い重い重い重い腰をあげて工事を再開したのである。

その結果、びっくりするような速度で工事が進展し、上水道、排水、配管、床下、床上、それぞれの工事を単独で行ったにもかかわらず、なんと冬が来る前に終了したのであった。これまでの3年間、あーでもない、こーでもない、うーむ、と無駄に時間を過ごして来たのが全くもって嘘のようである。

パズルのような排水管工事
図面と床に直接書いた寸法、そして現物合わせ
図面と照らし合わせながら水平を何度も何度も確認する
勾配が必要なのに、余裕は2mmしか残ってなかった…

部屋の片隅に放置されていた給湯ボイラーが本来の位置に設置され、キッチンのお湯、お風呂、トイレの洗浄便座、洗濯機設置、そして洗面所までが一気に完成したのであった。内装の細かな部分は後回しになってしまっているが、普通の家にある普通の機能が普通に使用可能な状態になったのであった。


ボイラーも無事設置完了
洗面所は水もお湯もたっぷり
お風呂も使えるよん

結局、工事日数は素人の単独作業にもかかわらず、のべ6日間であった。

とにかく、冬が来る前に終わってほっと一息であった。