2012年8月23日

収穫は続く

毎日落下してくるスモモ。辺りはもう甘酸っぱい香りで充満している。

スモモの木と受け皿
何個あるんだろう?
この香りに釣られてクマが来たら嫌だなと思っていたが、幸い誰も来る気配が無い。とりあえず、収穫を続けたのであった。

手前から、手、梅の実、梅の木、コーン畑、隣家
スモモが終らない内に、今度は梅が収穫時期を迎えた。梅なのかどうか本当は良く分からないんだが、そんな香りがする実がなっている。こちらは木が小さいので、大した量はならないと思う。そのまま食べたらとても酸っぱかった…。

ソフトクリーム
それにしても暑い。30℃を越えるともう活動がかなり制限される。今日もスモモを食べ、梅を食べ、建築作業を開始すること無く裏山へソフトクリームを食べに行く始末であった。

暑い…。

2012年8月21日

大収穫祭

突然、1本の電話がかかって来た。用件は、「お宅のスモモが良い感じに熟しているのだが、分けてもらえないだろうか?」ということであった。
スモモ?そう言えば、庭の片隅に大きなスモモの木があったよな。春先には花も咲いていた。去年は何も実らなかったが、今年は結実したんだろうか?毎日現場に通っているけど、全然気が付かなかったな…。

我が家の庭のスモモの木
既に実が落ちている
良く見ると豊作ではないか!
良くみると、足元にはバケツ1杯程度の実が既に落ちていた。この木はそれなりに大きく、かなり上の方まで実がなっている。てっぺんの実はどうやって採れば良いんだろうか?実はジャムにはできるのかな?他に加工方法はあるんだろうか?

約束の時間になると、我が家のスモモの結実情報を教えてくれた人が現れた。挨拶もそこそこに、車から採取道具を取り出し収穫が始まったのである。

車から道具を取り出して
スモモの枝を叩く
みんなでワイワイ
前回、巨大ハシゴを下さった人達にも声をかけて、都合3家族で突然のスモモ狩りが始まったのであった。実の数は100個や200個などでは無く、1000や2000個は十分越えている。

結局、20Kg入りの袋が数個、大型カゴに1杯、バケツに数杯、そして皆の口にたくさん消えて行った。

翌日もこの程度の収穫量が…
青い未熟な果実は塩漬けにして保存食に、いわゆる梅干しのような加工方法らしい。赤い完熟の実は、そのままでも美味しいし、ジャムや果実酒になるそうだ。

翌日も大型カゴに一杯の実が収穫出来、しばらくバケツ数杯ずつの収穫が続きそうである。我が家にこんな有益な木があったなんて信じられない!

辺り一面スモモの甘い香りがいつまでも漂っていた…。

裏山には

ヒグマやキタキツネ、エゾ鹿などもいるが、エゾライチョウもいる。隣の牧場の裏を通っ裏山へ入って行くと、ほどなくして色々な動物に出会う。
 


車の行く手を遮るトリ

飛ばずに歩く、歩く、歩く
このエゾライチョウは、運転している私と目が合っても慌てる様子も無く、ひたすらこちらの進行と同じ方向へ歩くだけだ。逃げているつもりなのか、通行の邪魔をしているのか、そもそも相手にされていないのかは不明だが、とにかく邪魔なヤツであった。

待てよ、こんなに飛ばない鳥だと、簡単に捕まえられるではないか…。

地元産の野菜、じゃがいも、トリ肉…。
と言うことで、昼ご飯はトリ肉のバーベキューに決定!

裏庭でBBQコンロに火を起こし、地元で採れたズッキーニ、じゃがいも、とうもろこし、そしてトリ肉…。

















エゾライチョウじゃないよ、地元産のチキンだよん。おいしゅうございました。

難読地名

北海道には変わった地名が多いが、住んでいると天気予報やローカルニュースなどで徐々に読める難読漢字の地名が増えて来る。
幣舞(ぬさまい)、美留和(びるわ)、興部(おこっぺ)、大楽毛(おたのしけ)、音威子府(おといねっぷ)

この辺りの地名が読めるようになると「ああ、これで私も立派な北海道人だな」と思い始め、喜んでブログに書き始める人が増えるのもこの頃である。

順調に読める地名が増えて来ると、あるタイミングで読めない地名が急増する時期がある。

妹背牛(もせうし)、 椴法華(とどほっけ)、別寒辺牛(べかんべうし)、晩生内(おそきない)

前述の地名に比べて出現頻度の低い、いわゆるマイナーな地名に出会い始めるからである。この頃になると、読める地名より読めないものの方が増えて来て、ちょっとうんざりする時期でもある。

それを通り越すと、日常生活では殆ど困ることの無い、北海道生活者らしい読解能力が身についたことになり、もはやブログネタにもならなくなる。そのうち、難読地名に出会っても華麗にスルーしてしまう術が身に付くのである。

それでも、思い出したかのように時折妙な地名に出会い、軽い眩暈を覚えることがある。

生花苗(おいかまない)、馬主来(ぱしくる)、白人(ちろっと) 、負箙(おふいびら)
もはや読める方がどうにかしているんじゃないかと…。

地名では無いが、川の名前も同様に難読であるものが多い。しかし、河川名には北海道開発局が頑張って、その読み仮名、名称の由来を細かく書いた看板(標識)を設置している。

読み難い河川名
車で走っている時にこんな細かな文字が読める訳が無いと思うのは、まだまだ北海道になじんでいない証拠である。北海道は交通量が極端に少ないのである。この看板の横で車を止めて最後まで説明を読んでも、行き交う車は1台もいない。見通しの良い安全な場所なら、そのチャンスを逃さずじっくり読んだ方が良いかも知れない。

読めるけど、なんだか違和感のある地名もある。

「万年」にある郵便局
この郵便局は、ずっと簡易局のままなんだろうか?名前とは裏腹に、将来は普通局になるんだろうか?


2012年8月13日

掘りごたつコーヒー

こんな地の果て番外地で家を作っていると色々な人が遊びに来てくれる。家を作っている最中なので寛ぐ場所など無く、文字通り「お構いも出来ませんで…」状態である。殆どの人は立ち話をして帰るだけである。逆に、ジュースやお菓子の差入れをもらうことの方が多いかも。
そんな中、炬燵自動車が遠路はるばる珈琲の差入れを持ってやって来た。


突然現れた車
の中には、掘りごたつが
ポット、コーヒーメーカー、炊飯器、簾まである

家の中ばかりいないで、たまには休暇を取って車で郊外へ行ってアウトドア生活を楽しむというのがある。家の中の快適設備が整った環境から脱し、多少の不便を味わいながら大自然を楽しむというヤツだ。

座る場所すら無い我が家と、ベッドや掘りこたつまである車…。使用電力も20A契約で建築中の家と、30Aで炊飯器を使う車。冬は寒くて長居できない我が家と、暖かい暖房完備の車。小さいラジオだけの我が家と、TV、インターネット付の車。天井の無い家と、立派な屋根付の車。

どっちがアウトドアなのか、その定義が根底から覆されるような「家(なのか?)」と「車(なのか?)」であった。

お蔭様で、我が家の敷地内でコーヒー豆をミルでゴリゴリしながら、香り高い本格的なコーヒーを振舞って頂いて、たっぷり楽しめました。どうもありがとうございます、めっちゃ美味しかった!

さて、アウトドアな環境に戻って、家でも作るか…。

2012年8月10日

木彫りの熊

北海道と言えば、一昔前は木彫りの熊が有名であった。どこの家にももれなくあるということは決してないが、見れば「ああ、北海道のお土産だな」と認識できる程度の知名度はある。

大きな木を
彫っていくと
あと一息で
木彫りの熊が…、出来る訳では無いが家の柱を切り取ることが出来た。

柱によっては、家の重要部分を支えている可能性があり、下手に撤去すると家が倒壊するというスリルを味わえる。もちろん、さほど重要では無い柱を撤去すると、広い空間を得ることが出来る。どちらになるかは、それは切ってからのお楽しみである。(そうなのか?)

この柱は、結構微妙な位置に立っており、何かを支えていると言えば支えているようであり、何も荷重がかかっていないと思えばそう見える、という非常にギャンブル度の高い柱であった。

叩いてみると、低い音程の振動がある。低ければ低い程、上からの荷重を支えている可能性が高い。しかし、この柱はやはり判断に迷うような、中程度の音程であった。中途半端過ぎるというものだ。

意を決して切り取り作業を開始してみた。もう後戻りは出来ない。電動鋸の歯が食い込む。

最後の数ミリ
上下分離
 見事に、柱の上と下が分離され、なおかつ家が倒壊しなかった。う〜む、やってみるもんだな…。

と書けば、最初からうまく行ったように聞こえるが、実は…。


柱を
切っている最中に
 柱を切っている最中に、上からの荷重で切口が下がって来て、ノコギリの歯がはさまって抜けなくなってしまったのである。押しても引いてもビクともしない。まるで家に踏まれたかのような重さであった。

この失敗を生かして、2本目は「熊の木彫り作戦」で行くことにしたのであった。

みんなも柱を切るときは、樹木を切るときのようにクサビ形に切り込みを入れて切るといいよ。

しばらく登場していない藁の塊であるが、ちゃんと整列して倉庫で待っていてくれる。しかし、その周りは「夏撒き小麦」状態であった。このまま育つと、どうなるんだろう????

夏撒き小麦と藁塊

2012年8月9日

新築祝い

原野の師匠の新しい家が完成し、お披露目パーティーにご招待頂いたので、早速行って来ました。

さっさと行けば良いものを、道中で気になった所があると寄り道せずにはいられない夫婦は、せっせと未知のコースへとハンドルを切るのであった。

不思議な道標
まずはモアショロ原野。正式には「茂足寄原野」と書く。「足寄の奥地」を意味する言葉だ。それに続いて螺湾(らわん)と足寄(あしょろ)。さらに(停)の字が続く「線」の名前である。おまけに、足を擬人化した謎のキャラクターが蕗の葉っぱの傘をさして走ってるという、もはや何を言いたいのか分からない絵だ。

「茂足寄原野螺湾足寄停車場線」

と書かれても、読める人は極端に少ないであろう。こんなものを一生懸命読んでいると、読み終る前に道路からはみ出て崖下へ落ちてしまうであろう。

と言いながら、これを見るためにやって来た私は大変満足したのであった。私の知る限り、一番長い漢字名の道路である。

英語の説明パネル
しばらく未舗装の道路を走ると、阿寒国立公園内のオンネトー湯の滝に到着する。詳しくは上記の説明を読んで下さい。

雌阿寒岳と阿寒富士
さらに行くと、オンネトー越しに雌阿寒岳と阿寒富士が見える。我が家の庭から、隣の森越しに見える山々である。ここから見ても、我が家から見ても同じ姿であった。当り前か…。

ここから国道へ戻って、原野の師匠の家に向かう。かれこれ1時間のタイムロスであった。
原野の師匠宅の森伊蔵
到着すると、そこには師匠ご夫妻と森伊蔵が出迎えてくれ、さらにはテレビ局のスタッフも出迎えられ、いきなりテレビカメラに写ってインタビューされてしまった。ええ、きっとボツになると確信していましたので、好きなことを長々としゃべっておきました。へへへ。

披露パーティーですっかりご馳走になり、その夜はなんと新しい家を私達夫婦だけの貸切りにして頂いて、この新しい家で翌朝を迎えました。この家の最初の泊り客が私達とは…。ご夫妻の心意気と勇気に感謝です…。

この原野に建つ家は、その「開拓」としか呼びようの無い原野生活の中で、2年の歳月をかけて完成したのである。原野の状態からこの家が建つまでの始終をブログと現物でずっと見て来た私は、もう本当に自分自身のことのように嬉しかったのである。

そして、自分の家でも無いのに何だか「やり遂げた感」が湧いてしまって、今日も自分の家作りはサボっているという、困った状況になっている。むむむ。


家の中の犬防止柵
私も早く家を完成させなければ…。

2012年8月5日

あれからずっと庭に住み着いていたペモペモ。仲間も増えて、いつも数匹で庭先を飛び回っていた。晩秋から初冬にかけて鳴き声が聞こえなくなったので、どこかへ渡って行ったんだなと安心していた。
しかし、冬の間も時々だが鳴き声が聞こえたような気がしていたのである。姿が見えなかったので空耳か、何か他の種類の鳥だと思っていた。そんな事を繰り返している内に、春を迎え雪が少なくなって来た頃、やはりその鳴き声は聞き覚えがある気がしてならなかったのである。

何度もペモペモかと思ったが、渡り鳥が越冬するのは難しいし、肝心の姿を見せない。だが、普通の野鳥であれば、鳴いている時でも人間の足音が聞こえると鳴き止む。しかし、この鳴き声の主は、私の足音が近付いた時だけ鳴くのである。声の方へ近付くと距離を置いて離れるが、暫くするとまた近寄って来る。野性生物の本能が欠落したような行動だ。

結局、4月頃から姿がはっきり見えるようになり、その正体はペモペモであった。確信は無かったが、その行動があまりにも野性とはかけ離れているし、庭に生息する数羽の同種の仲間の中で1羽だけ行動が変なのである。やはりペモペモなんだろう。

至近距離で寛ぐ
常に一定の距離を置く
こうしてカメラを向けても、他の仲間は一斉に飛び立つが、こいつだけ逃げもせず悠然とカメラに収まる。そして鳴く。
 
ということで、ペモペモは今も元気に庭先に住んでいます。



とてもフレンドりーで警戒心が欠落した全く別の鳥だったりして…。