レンガ、良く知っているようであまり知らないものである。公共施設、庭の仕切り、古い建物などに良く使われているので見る機会そのものは多いものの、一般住居には縁遠い建築部材である。他の建材に比べて重くて脆いのがその理由である。
値段は非常に安いものの、何かを作るには大量に必要になるので、結果的に高価なものとなる。ホームセンターやネット通販では標準サイズの赤レンガでひとつ90円〜120円程度。JIS規格で製造されたものは210×100×60mmというサイズである。重量は2.3〜2.5Kg。製造国によって規格が微妙に異なるので、複数規格を混ぜて使う時は要注意である。
先日、ホームセンターで良さそうなものを見付けたので、とりあえず302個買ってみた。700Kg程もあるのでゲンヤー号では運べない。そこで配達を頼んでみると、送料は一律1,050円ということであった。レンガ1個でも1,050円、1000個買っても1,050円だそうだ。そういうものなのか?
700Kgのレンガを運ぶこと自体は普通の小型トラックで十分である。しかし、荷台から700Kgの塊を下ろすのにはクレーンのような装置が付いたユニック車が必要だろうなと思っていた。ひょっとして、受取人がフォークリフトのようなものを用意して待っていなければならないのか?
そんな不安を胸に、配達予定日に現地で待っていると現れた車は、な、なんと
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お客様貸し出し用トラック |
購買客に無料で貸し出しを行っているトラックが現れたのである。どう見てもクレーンは付いていないし、中にフォークリフトが積載されているようにも見えない。ひょっとして、レンガが302個じゃなくて、たったの3個とか、30個とかと間違われているのであろうか?
巨大な不安をよそに、配達の人は「毎度ありがとうございます。お買い上げの商品をお持ちしました」と笑顔で挨拶し、おもむろにトラックの後部を開けると、そこには302個のレンガがパレットという木製の台座に乗っていた。
これをどうやって運ぶのかと思っていたら、配達の人は何の躊躇も無く手で少しずつ運び出したのである。
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荷下ろしは人力…。 |
慌てて私も受取用のパレットを用意して、そこに積み上げてもらうように頼んだ。もちろん黙って見ている訳にも行かないので、半分は私も手伝ったのである。しかし、重労働だったのでかなりヘトヘトになりながら運んだのであった。
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302個のレンガを降ろして去って行くトラック |
不意の重労働のお蔭で本日のエネルギーの全てを使い果たしてしまった私は、残りの建築作業は殆ど放棄してしまったのである。おそるべしレンガ…。