2012年9月30日

壁厚増加中


補強工事が完了し、やっとその上の構造物を作り始めた。

何しろ6トンの壁材と4トンの表面材が乗るのである、それを支える床の補強は最大かつ最難関の作業であった。象が乗っても壊れない強さを目指し、何度も暗礁に乗り上げながら計画を変更し、象の片足なら乗せても大丈夫、鼻先だけなら大丈夫と目標強度をドンドン下げて行き、最後は北海道にいない象を基準にしても仕方が無いと開き直り、普通の床の2倍程度で妥協した。

完成した床下地の上に、謎の物体を積み上げてみた。

仮組中
何度も故障を繰り返した例の機械から生み出された壁の素は、微調整の甲斐があってぴったりサイズであった。こんなにうまく積み上げられるとは思ってもみなかった。特に、隅っこの9cmだけ幅の狭いサイズのものを作った時は、そんなにうまく行くわけが無いと作った本人が信じていないという不遇の出生物であったが、スポッと隙間に入り込んだ時は流石にうれしかった。
壁叩き棒
仮組がうまく行ったので、後は一気に積み上げて固定、圧縮、ちょっとだけセトリングを行って仕上げに進む予定である。どこかで辻褄の合わない箇所が出て来るのは必至だが、それまではコツコツ作って行こう。

ちなみに、この作業工程は7月中旬に予定していたものだ。明日から10月だなんて信じたく無い…。

2012年9月27日

煉瓦


レンガ、良く知っているようであまり知らないものである。公共施設、庭の仕切り、古い建物などに良く使われているので見る機会そのものは多いものの、一般住居には縁遠い建築部材である。他の建材に比べて重くて脆いのがその理由である。

値段は非常に安いものの、何かを作るには大量に必要になるので、結果的に高価なものとなる。ホームセンターやネット通販では標準サイズの赤レンガでひとつ90円〜120円程度。JIS規格で製造されたものは210×100×60mmというサイズである。重量は2.3〜2.5Kg。製造国によって規格が微妙に異なるので、複数規格を混ぜて使う時は要注意である。

先日、ホームセンターで良さそうなものを見付けたので、とりあえず302個買ってみた。700Kg程もあるのでゲンヤー号では運べない。そこで配達を頼んでみると、送料は一律1,050円ということであった。レンガ1個でも1,050円、1000個買っても1,050円だそうだ。そういうものなのか?

700Kgのレンガを運ぶこと自体は普通の小型トラックで十分である。しかし、荷台から700Kgの塊を下ろすのにはクレーンのような装置が付いたユニック車が必要だろうなと思っていた。ひょっとして、受取人がフォークリフトのようなものを用意して待っていなければならないのか?

そんな不安を胸に、配達予定日に現地で待っていると現れた車は、な、なんと

お客様貸し出し用トラック
購買客に無料で貸し出しを行っているトラックが現れたのである。どう見てもクレーンは付いていないし、中にフォークリフトが積載されているようにも見えない。ひょっとして、レンガが302個じゃなくて、たったの3個とか、30個とかと間違われているのであろうか?

巨大な不安をよそに、配達の人は「毎度ありがとうございます。お買い上げの商品をお持ちしました」と笑顔で挨拶し、おもむろにトラックの後部を開けると、そこには302個のレンガがパレットという木製の台座に乗っていた。

これをどうやって運ぶのかと思っていたら、配達の人は何の躊躇も無く手で少しずつ運び出したのである。
荷下ろしは人力…。

慌てて私も受取用のパレットを用意して、そこに積み上げてもらうように頼んだ。もちろん黙って見ている訳にも行かないので、半分は私も手伝ったのである。しかし、重労働だったのでかなりヘトヘトになりながら運んだのであった。


302個のレンガを降ろして去って行くトラック

不意の重労働のお蔭で本日のエネルギーの全てを使い果たしてしまった私は、残りの建築作業は殆ど放棄してしまったのである。おそるべしレンガ…。



ヒグマ観察

毎日、庭の横の罠を観察する日々を送っていた。敷地の端から双眼鏡で檻の辺りを見るのである。

罠にかかったヒグマが檻に入っていて欲しい気持と、うまく避けて捕まらないでいて欲しい気持が半々という感じである。一生に一度くらいは捕獲したヒグマを間近で見てみたい気持は大いにある、その半面人間の都合で野性生物を捕獲するのは止めて欲しいとも感じている。


入口が開いたままの檻
猟友会のメンバーが罠の周囲を毎日見回りに来てくれるようで、会った時は色々な情報を聞くことが出来る。

仕入れた情報によると、檻には人間では判別出来ない程度の臭いが残存しているそうだ。つまり、過去に捕獲した熊の臭いということだ。臭いに何か危険を伝える情報が含まれているのか、ただ単に自分以外の熊の臭いが嫌なだけかわからないが、そういった臭いを避ける習性があるらしい。それに加えて、設置した人間の臭いも檻やその周囲に残っているので、これもヒグマの警戒心を高めているのかも知れない。

仮に罠に警戒心を抱かなくても、目の前にヒグマにとって無限に等しい量のトウモロコシがあるので、わざわざ怪しい檻の中の餌を食べる必要も無いよな…。

そんな訳で、空っぽの檻を見るのが日課になっている。

2012年9月16日

ミステリーサークルの正体

おかしい、やはりどう考えてもこれは動物の仕業だ。広範囲に倒れているトウモロコシを見ると、大型動物と考えるのが妥当であろう。

早速、畑の持ち主に相談の上、役場に連絡した。担当者がすぐに見に来てくれたが、やはりというかヒグマの仕業に間違い無いということになった。

翌日、猟友会の人と共に役場の人が来て再度現場へ向かう。

ライフルを担いで現場へ入って行く
入口近くは3m×10m程度の範囲で荒されている。ヒグマの気配が無いことを確認しながら全員で入って行く。足元を見ると、食べられたトウモロコシが散らばり、辺り一面機械で均したように葉っぱが敷き詰められていた。


ミステリーサークルの正体
奥の森からこの入口を通って入っているようだ
 中へ進んで行くと、このようなミステリーサークルのようにトウモロコシが無くなって広場のようになっている場所が数多くあった。どうやら美味しそうなものを選んで移動を繰り返しながら食べている様子だ。

各所にヒグマの痕跡が残されていたのが確認出来た。

ヒグマの足跡
ヒグマの寝床
ヒグマの食べたトウモロコシ
ヒグマの糞
猟友会の人の話によると、どうやら1週間以上前からここに来てトウモロコシを食べ続けているようだ。

私は知らなかったんだが、ヒグマは巣から畑へ通って来ているとは限らず、畑の中に数日間寝泊りしながら食べ続けるらしい。つまり、深夜や早朝だけが危険な訳では無く、一日中畑の中にいる可能性が高いと言うことだ。

ということは、昨日私がヒマワリ畑で聞いた謎の音は、ヒグマの寝息だったのか?

ミステリーサークルの一つは、ヒマワリ畑のすぐ裏であり、その距離はわずか数メートルである。聞こえても全然不思議じゃない距離だ。

出没地点が民家(私の家の事だ…)に近すぎること、出没頻度が高いこと、農作物被害の範囲が広いことなどから、一時は山狩りをして射殺が検討されたが、結局罠を仕掛けることになった。

無闇に殺さず罠で捕獲して他の場所へ移動させるという、「排除」より熊と人間の「共存」を優先する姿勢に共感を覚えた。

ただ、

我が家の建築現場から
50mほど隣の畑を挟んで
その先に
こんな看板と
すぐ奥にはこんな罠が仕掛けられていた


家を作っている現場から、注意標識と罠が見えると言う状況はなんだか…。

2012年9月15日

巨大ヒマワリの隣

巨大ヒマワリはその後も成長を続けているようで、呆れながらも時々裏庭までその様子を見に行っていた。

このヒマワリ畑は、今年の春に隣家に厚意で耕してもらった土地で、隣の約2万坪の広大なトウモロコシ畑に隣接している。そこは見渡す限りのトウモロコシの列である。

2階から見た庭とヒマワリ畑を囲むトウモロコシ畑
拡大写真
良く見ると、トウモロコシ畑の中に所々空き地のように窪んだ所がある。ミステリーサークルのように、そこだけトウモロコシが刈り取られているかのようだった。強風で倒れたのかと思ったが、畑の他の部分にはそれらしい所がなかったので不思議に思っていた。

ある日、巨大ヒマワリを見ていると後ろの方で低い音が繰り返し聞こえていた。遠くの音なのか、小さな音なのか、はっきり聞き取れなかったがあまり聞いたことが無い音であった。

ひょっとして、何かいるのか?キツネか?シカか?脱走した牛か?それともただの野良犬なのか?まさか熊?

気になったので、ちょっと様子を見に行くことにした。

ミステリーサークル?
確かにトウモロコシが倒れている。人為的なものなのか、動物に荒されたのか、それとも強風などの自然のものなのか判断が付かない。

綺麗になぎ倒されている

う〜む、なんだかとっても心配になって来たぞ。

巨大ヒマワリ

昨年、ヒマワリを植えたらグングン成長して行き、人間の背よりも高い2m40cmにまで育った。今年は、その花から採れた種を撒いたのだが、その成長は先代を凌駕するものであった。
昨年のヒマワリ
今年のヒマワリと計測メジャー
身長の約2倍、3m40cmにもなった。本当にヒマワリなのかどうか疑わしい成長ぶりであるが、見た目はヒマワリそのものである。中には自分の花の重さに耐え切れずに折れてしまうものや、茎が竹刀程太くなったものもある。限度を知らんのか?

来年になれば、4m40cmになるのか…。

2012年9月14日

束石工事

巷で流行りの束石工事を行うことになった。束石は60cmの高さがあるので、埋める穴もそれに合わせて60cm以上掘らなければならない。

我が家にはユンボやトラクター、パワーショベルなどの重機は無い。あったところでそれを操作する技量が無い。さらに、体力も無い、根性も無い、やる気も無い。でも、束石を埋設しなければ石油タンクを設置できないので、この極寒の地では死活問題である。

とりあえず束石(35Kg x 4個)をゲンヤー号で運んで来た
仕方が無いので、体力のある奴を騙して穴を掘らせる作戦に出た。

鮭捕り名人兼穴掘り名人
何の疑念も無く掘り進む奴
メジャーとスコップだけで何とかなると思っていたが、良く考えてみると水平やら直角やらを出さなきゃならないので、何度か失敗した後に思い出したように水糸を張ってみた。


水糸とズレ
その水糸でさえまっすぐ張れない上に、それに合わせて埋設した束石がさらにずれるという誤差が誤差を呼ぶ展開となった。まあ、全部が同じようにずれてくれれば最後は辻褄が合うかも知れないという淡い期待を胸に作業は進んで行くのであった。


立った!
寒冷地では地面が凍結し、埋めてある束石等が持ち上がることがある。凍上と呼ばれる現象で、非常にやっかいなヤツである。この石油タンクは490リットル型であり、実際に460リットル程度の灯油が入る。灯油の比重が0.8程度であるので、ざっと360Kg。タンクの自重が80Kgなので相当な重さが束石にかかる。

そんな状態で凍上してしまえば、倒壊の危険すら生じるのである。昨冬には小屋が持ち上がって困ったが、不便以上のものは無かった。しかし、石油タンクが倒壊してしまえば、それに継るパイプも引きちぎれてしまい、家の周りに可燃性の物質をばらまく事態になりかねない。

凍上を防ぐために、穴の底にはコンクリートを流し込むか大きな石を敷く必要がある。さらにアイスレンズを形成しないように、束石の周囲には砂利を埋め込む。あとはただただ祈るだけである。



2012年9月13日

秋味の収穫

あまりの暑さのせいで、ブログの更新をすっかり忘れてしまっていた。異常気象だか観測史上初だか知らないけれど、気温が30℃を越えると建築作業も何もかも停止してしまう私であった。
そんな中、アイヌの伝統行事であるマレック漁へ行って来た。

大木1本をくり抜いた丸木船
このような丸木船に乗り、特殊な鈎の付いたモリのようなもので鮭を捕る漁法である。アウトリガーも無いので、もっぱらバランスは乗り手のセンスと運動神経に委ねられている。

漁開始前の儀式
イナウと呼ばれるものを船の舳先(先っぽ)に付けて神事を執り行う。

無事に鮭を捕獲
神経を砥ぎ澄ませモリの先に集中しながら獲物を狙い、一気に突くと鮭の身体にモリが突き刺さる。船上に引き上げた後、頭部を撲打して絶命させて終了する。

赤い帽子を被って先頭に乗り込む妻
一般人も参加させてもらえると聞いて、妻が先頭に乗り込んではしゃいでいる。心配そうな顔の人々を後目に、意気揚々とモリを構えて準備万端。

世界一間抜けな鮭
ビギナーズラックで見事に鮭を捕獲。

夕食は鮭のムニエルでした。