一昨日は大荒れの天気となり、各地で被害が出ていたようだ。
こんな日に限って出掛けなきゃいけない用事があった私は、朝早くから交通手段を模索する必要に迫られていたのである。というのも、JRの特急が全て始発から終日運休となっており、代替手段である高速バスも始発から運休状態であったからである。
先週降り積もった大量の雪が、前日からの大雨と気温の異常な上昇によって融雪が急速に進み、各所で河川の増水、道路の冠水などが起き、さらに雪崩の危険が非常に高かったため高速道路は言うに及ばず一般道路も完全に通行止めとなっていた。JRも山越え箇所では雪崩の危険があるため運行する気配はまったく無かったのである。
|
道東を中心に通行止めだらけ |
この日にどうしても札幌方面に行かなければならなかった私は、北へ向かって旭川経由、南へ向かって襟裳岬経由、その手前の野塚峠経由で日高山脈越えなど色々考えていたのであるが、十勝平野から東西南北全ての方角の全ての道路が通行止めオンパレードとなっており、何処へも抜けられないという閉じ込められた状態であった。
さて困った。
テレビのニュース、データ放送、ネット、バス会社への電話など情報収集を行ったが、結果は「どこも通れないので仕方が無い」ということであった。
こんな状況でも飛行機だけは飛んでいた。どこの空港も天候による欠航は無かったようである。これに加えて、札幌から新千歳空港までは、JRも道路も通じていたので、この混乱は一部の地域だけの問題となり、道内のそれほど大きなニュースにはなっていなかったのである。
結局どうしようもなかった私は、各所に連絡して予定を全てキャンセルせざるを得なかったのであった。まったくもって一日がまる潰れであった。
閑話休題
ここは洪水の恐れも無く、除雪もしっかり行われていたので、その後の心配はまったく無いはずであった。ところが、気温がプラス9℃まで上がり、暖かい風雨によって道路の雪が全部無くなると思っていたのだが、私の予想に反して雪は柔らかくなったもののシャーベット状になった時点で夜を迎えたのである。
そしてそのまま氷点下になり、翌朝には我が家の敷地の道路は完全に凍ってしまったのである。所々凍ってるとか、道の端は通れるとかいうレベルでは無く、氷の滑り台状態だったのである。歩くこともままならず、ましてやスタッドレスといえども所詮ゴムタイヤではどうしようも無いような路面であった。
この道は入り口から玄関に向かって50mほどの緩い上り坂である。路面は見事にツルツルである。頑張って歩こうとしたのだが、とてもじゃないけど歩けなかったのである。
試しに小さな氷の塊を道に置いただけで、カラカラと音を立てながら緩やかに20mほど滑って行った。本当にツルッツルのようだ。
今日も出掛けられないのか?いや、車は滑っても何とか出られるかも知れないと思い、意を決して出掛けたのである。車は下り坂に差し掛かると、ハンドルもブレーキもまったく効かない状態で、でもまっすぐに滑り台の端までたどり着いたのである。
なんだ、大したこと無かったじゃないか、ははは。
と機嫌良く出掛けたのであるが、帰りはどうやってこの坂を登れば良いのだろうと、下り切ってから気がついたのであった。下りられたなら登れるのでは無いか?いや、登れない崖だって飛び降りるのは簡単だ、飛行機から飛び降りるのも簡単だけど元に戻るのは不可能である。
用事を済ませてとりあえず帰って来た私は、再び意を決してこの坂に挑戦したのである。その結果、半分諦めていたのだが、予想を覆すかのようにこのスタッドレスタイヤは悲鳴を上げながらも何とかこの坂を登ってくれた。
いやーすごいな、スタッドレスタイヤ…。
我が家の給餌台には様々な鳥がやって来る。
多くはシジュウカラ、ゴジュウカラ、コガラなどの小鳥が主だが、時々ミヤマカケス、ヒヨドリなどの中型鳥も来る。隣接している畑には白鳥が大群でやって来ることもある、うるさいけど…。
餌は小鳥にはヒマワリの種だが、黒い種で小粒のものを選んで与えている。こちらの方が重量当たりのカロリーが多く、小粒なので食べ易いようである。
|
コガラ |
毎冬、多くの種の鳥がやって来るが、意外なことに雀が来たことが無かったのである。過去にニュウナイスズメが工事中の我が家に入り込んで脱出出来ずに餓死しかけていたことはある。その他にもスズメサイズの小鳥は来るのだが、一番ポピュラーだと思われるコイツが来ないのは何故なんだろう?と思っていた。
ある日、ふと給餌台に目をやると、そこには傍若無人な態度の雀が餌の中程に鎮座して、ひたすら餌を頬張っていた。コガラやシジュウカラは、ヒマワリの種を足で押さえながら器用に殻を剥いて食べるが、スズメはクチバシと舌だけで殻を剥いて食べていた。コイツの方が器用なのかも知れないな…。
|
我が物顔のスズメ |
コガラは7~8羽でやって来て、仲間内の力関係なのか順番に餌を啄んでいる。順位の低そうなコガラが餌台に到着しても、上位のコガラがやって来ると餌も咥えずに近くの枝に退避する。なかなか上下関係が厳しそうだ。
コガラの群れにシジュウカラが来ると、今度は種(しゅ)の上下関係なのかどうか知らないけれど、コガラ達はその順位に関係なくシジュウカラに場所を明け渡している。まあ、身体も若干大きいからなのかな?
それでも、彼らは野鳥なので警戒心から給餌台に長く滞在すること無く、比較的短時間で餌を咥えて近くの木々へ移って、そちらでゆっくり啄むという行動様式である。 ヒマワリを2粒ほど咥えて飛んで行き、また戻って来るのである。給餌台へ飛来する往復のエネルギーと2粒の餌に含まれるカロリーとどちらが多いのだろう?
さてスズメであるが、こいつはこの給餌台の微妙な力関係を一切無視して我が物顔で餌を食べるのである。他の鳥がいてもお構い無しに餌台を独占するのである。そして、数分間という長い時間滞在して腹一杯餌を食べるのである。可愛気の無い鳥である。
図体のデカいミヤマカケスやヒヨドリも給餌台を独占するような食べ方はするものの、スズメのように長時間滞在することはあまり無く、さっさとどこかへ飛んでいく。やはり、スズメが最も無遠慮な奴なのか?
ところがである、このスズメの上を行く奴がいたのである。
先日ロプノールが何かをしきりに追いかけていたので様子を見ていると、なんとエゾライチョウの小さい奴がロプノールの小屋の前で追いかけ回されていたのである。
鳥なんだからさっさと飛んで逃げれば良いのに、鎖につながれた犬に追いかけ回されているのである。何故だろう?と思ってしばらく様子をうかがっていると、ほんの数十秒間の出来事ではあったが、このエゾライチョウはロプノールの餌入れからドッグフードを盗み食いしていたのであった。
結局、追いかけられながらも2度ロプノールの餌入れから餌を盗んで飛び去って行った。ドッグフードってそんな危険を犯してまで食べたくなるほど美味しいのか?
あまりの出来事に写真を撮る間も無かったのが悔やまれる…。
先日、とある農家の貯蔵庫を見せてもらう機会があり、なかなか興味深かったのである。それはジャガイモの貯蔵庫であった。
ジャガイモはサツマイモとは違い、貯蔵温度が0℃~10℃(適温は2℃~4℃)なので温度管理が楽である。つまり、保温構造の倉庫に、雪や氷と一緒にジャガイモを放り込んでおくだけで貯蔵が可能だからである。雪を使えば庫内の湿度は80~90%になるので、これもジャガイモの保管に具合が良い。
貯蔵庫は発砲ウレタンフォームの吹き付け工法で断熱層を形成している。厚みは100mmだそうで、これがコストと断熱性能のバランスが良いらしい。
|
その名の通り |
|
雪とジャガイモ、と人々 |
断熱された倉庫の中に外から持ってきた雪を入れると、倉庫内はやがて0℃程度で落ち着き氷点下にはならない。そこへジャガイモを満載したコンテナを積み上げて保管しておくと、ジャガイモは寒さに耐えるために低温糖化現象を起こして体内のデンプンをショ糖に変化させ、さらにブドウ糖や果糖も生成するのである。
この時に若干ではあるが発熱するので、0℃近辺の雪温と相まって庫内は2℃~4℃と理想的な温度になるという、実にうまい仕組みである。したがって、庫内に運び入れる雪の量、保管するジャガイモの量の調節が重要なカギになるのである。
もし、ジャガイモの数が少なければどうなるのだろうか?
庫内の温度が0℃付近から上昇せず、断熱性能にもよるが庫内が部分的に氷点下になる恐れがある。
|
広い倉庫に極少のジャガイモ |
これは別の施設であるが、なんらかの理由でジャガイモの量が確保出来なかったようで、庫内の片隅に身を寄せ合うように少量のジャガイモコンテナが積まれてあった。外はマイナス20℃の極寒である、このままでは凍害が起こる危険がある。
そこで、コイツの登場である!
|
強力助っ人、参上! |
広い倉庫にいかにも頼り無さそうな超小型の家庭用電気ヒーターがたった1台だけ。
だ、だいじょうぶなのか?と思ったが、これでなんとかしのげるそうだ。
この雪室による保存でジャガイモがどれだけ甘味が増すかといえば、この通り。
|
(c)2006 北海道農業研究センター |
サツマイモが嫌いな私は、甘いジャガイモもあまり好きでは無い。どちらかと言えばホクホクしていなくて火を通しても固さが若干残る程度のものが好きである。